
会社の固定費を削減しろと言われるけど、何から手をつければいいのか…

総務担当者B子
日々の業務に追われて、コスト削減まで手が回らない(> <)
総務担当者の皆さん、こんな悩みを抱えていませんか?
「コスト削減」と聞くと、専門知識が必要だったり、大きな設備投資が必要だったりと、少しハードルが高く感じてしまうかもしれません。
しかし、会社の業務に潜む「ちょっとしたムダ」を見つけて改善していく、いわば「会社の体質改善」です。
コスト削減で生まれた利益は、社員の待遇改善や、会社の未来への投資に繋がります。
この記事では、私が総務担当として実際に試して効果があった、固定費削減に繋がる社内改善ネタを10個、厳選して紹介します。
- ペーパーレス化による具体的なコスト削減と業務効率化のコツ
- オフィスの「当たり前」に潜む、見落としがちな節約のポイント
- 外部の力をうまく借りて、賢くコストを管理するテクニック
ペーパーレス化で実現する経費削減と業務効率化
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まず着手すべきは、最も効果を実感しやすいペーパーレス化です。
単に紙や印刷代を節約するだけでなく、書類を探す時間の短縮や、場所を選ばない働き方の実現にも繋がります。
ここでは、ペーパーレス化を推進するための具体的な3つのステップを紹介します。
①【年間20万円削減も】請求書・契約書の電子化

まずは、毎月大量に発生する請求書や契約書。
これらの書類を電子化するだけで、驚くほどのコスト削減効果が生まれます。
具体的には、印刷代、インク・トナー代、紙代、郵送費、そして契約書に必要な「収入印紙」が不要になります。
特に収入印紙は、取引額が大きいと高額になるため、これを削減できるメリットは絶大です。
以前の私の会社では、本当に典型的な「紙とハンコ」の文化でした。

契約書は営業担当が紙で作成し、上司のハンコをもらい、取引先に郵送。
返送された契約書は、経理担当が内容をチェックしながら、会計ソフトに一件一件、手で入力していました・・・
本当、地道な作業でした(泣)
このやり方だと、
- 入力ミスが起こる(ヒューマンエラーは避けられません…)
- 契約から請求までのタイムラグが大きい
- 収入印紙の購入・管理が地味に面倒
- 過去の契約書を探すのに倉庫をゴソゴソ…時間が溶ける
といった問題が山積みで、特に月末月初の経理担当は本当に大変そうでした。
弊社でマネーフォワード クラウドと連携できる電子契約サービス(マネーフォワード クラウド契約)を導入した結果、年間で約20万円の経費削減に成功しました。

電子帳簿保存法への対応は必須!事前にルールを確認しましょう。
導入当初は取引先への説明が必要でしたが、今では多くの企業が電子化に対応しており、スムーズに移行できます。
書類の保管スペース削減や、過去の書類検索が格段に早くなるメリットも大きいのが特徴です。

👉 会計事務所オススメNo.1ソフト マネーフォワード クラウド会計
②【導入効果3倍】クラウドストレージ活用術

社内のファイルサーバーでファイル管理を行っている企業も多いと思いますが、インターネット上の共有倉庫である「クラウドストレージ」への移行は、固定費削減と業務効率化の双方に大きなメリットをもたらします。
自社でサーバーを管理・運用する必要がなくなるため、サーバー本体の購入費用やメンテナンスにかかる人件費、電気代といった固定費を大幅に削減できます。
また、クラウドストレージは容量や利用人数に応じて料金プランを選べるため、事業規模に合わせた柔軟な運用が可能です。

導入時にフォルダのタイトルの付け方など、運用ルールを決めるのが肝心です!
さらに、どこからでも最新のファイルにアクセスできるため、テレワークや外出先での業務効率が飛躍的に向上します。
ファイルの共有や共同編集も容易になるため、チームでの作業がスムーズに進み、生産性の向上にも繋がります。
③【スピードUP】ワークフローシステムで稟議の承認業務を効率化

項目 | 導入前:紙ベース | 導入後:システム化 |
申請から承認までの時間 | 平均3〜5営業日 | 最短即日〜1営業日 |
書類の紛失リスク | あり(人的ミス) | なし(データ管理) |
進捗状況の確認 | 担当者に直接確認 | システム上でリアルタイムに確認 |
コスト・手間 | 印刷費、保管費 | システム利用料 |
稟議書や各種申請書のために、わざわざ出社したり、上司のハンコをもらうために席で待機したりしていませんか。
申請から承認までの一連の流れを電子化する「ワークフローシステム」を導入すれば、こうした非効率な業務を簡略化できます。
承認者は場所に縛られることなく、スマートフォンやPCからいつでも承認作業を行えます。
これにより、意思決定のスピードが格段に向上し、ビジネスチャンスを逃しません。
また、「今、誰で承認が止まっているのか」が可視化されるため、進捗管理も容易になります。
紙での運用時に発生しがちな書類の紛失リスクもなくなり、内部統制の強化にも繋がるでしょう。

最初は交通費精算など、簡単な申請書からスモールスタートするのがおすすめ。
よ承認が止まている上司も可視化されます(笑)
オフィスの「当たり前」を見直すコストカット術
毎日使っているオフィスの設備や環境。
当たり前になっている部分にこそ、コスト削減のヒントが隠されています。
電気代やリース料など、毎月必ず発生する固定費を少し見直すだけで、年間で見ると大きな差額が生まれます。
社員の働きやすさ向上にも繋がる、一石二鳥の改善ネタを紹介します。
④【電気代15%削減】照明のLED化と人感センサー

オフィスの照明を、従来の蛍光灯からLED照明に切り替えるだけで、照明にかかる電気代を大幅に削減できます。
LEDは蛍光灯に比べて消費電力が少ないだけでなく、寿命が非常に長いため、交換の手間や費用も削減可能です。
初期投資はかかりますが、電気代の削減分で数年で回収できるケースがほとんど。
国や自治体によっては補助金制度が用意されている場合もあるので、導入前に必ず確認しましょう。

補助金情報は自治体のホームページで簡単に確認できます★
さらに効果的なのが、人感センサーの導入です。
特に会議室やトイレ、給湯室など、人の出入りが不規則な場所に設置することで、消し忘れを防ぎ、無駄な電力消費を徹底的にカットします。
当社では、この合わせ技でオフィス全体の電気代を年間で約15%削減することに成功しました。
⑤【意外な盲点】複合機のリース契約見直しと最適化

見直しポイント | 確認事項 |
カウンター料金 | カラー、モノクロそれぞれの単価は適正か? |
リース期間と料金 | あと何年契約が残っているか?再リース料は高くないか? |
印刷枚数 | 契約時の想定枚数と実際の印刷枚数に乖離はないか? |
機能 | 使っていない高機能なオプションが付いていないか? |
オフィスに必ずと言っていいほどある複合機。
そのリース契約の内容を最後に確認したのはいつでしょうか。契約時のまま何年も見直していない、というケースは意外と多いものです。
カウンター料金(1枚あたりの印刷単価)や基本料金は、数年前の契約であれば、現在の市場価格よりも割高になっている可能性があります。
まずは現在の契約内容を詳細に確認し、複数の業者から相見積もりを取りましょう。
その際、単に料金を比較するだけでなく、自社の月間印刷枚数を正確に把握し、利用状況に合った最適なプランを提案してもらうことが重要です。

私の会社で見直しをしたところ、複合機のリースが月3万円(カウンター使用料別途)だったのが、複数社に相見積もりを取ったところ、なんと月3千円に下がりました!
さらにカウンター料金も、カラー5円→2円に、白黒1円→0.5円に!
親会社とのグループ割引が適用されたのも大きかったかもしれません。
業者によっては、保守サービスの範囲や対応スピードも異なるため、総合的に判断することが大切です。
⑥【賃料削減】オフィスの無駄なスペースを活用
空いているスペースを活用して賃料削減

オフィスでは、レイアウトの最適化によって、活用しきれていないスペースがある場合があります。
賃貸オフィスであれば、使用していない会議室を解約することで、賃料をコストカットすることも可能です。
当社では使っていなかった一角を簡易的な会議室や資材スペースに変更したりすることで、オフィス全体のスペースを有効活用しました。

空いている空間にも価値を持たせる視点が大切です!
特に中小企業では、今ある空間をどう使い切るかがポイントになります。
気軽に打ち合わせができる席など、多様な働き方に対応できる環境整備をすると、社員にも喜ばれます!
外部サービス活用による固定費の変動費化

すべての業務を自社内で完結させようとすると、専門知識を持つ人材の採用や育成、システムの維持管理など、多くの固定費が発生します。

中小企業は、特に人材確保が難しいですよね。
社内で抱えていた業務をアウトソーシングやシェアリングで切り出すことで、固定費を変動費に変更し、柔軟な経営が可能になります。
⑦【専門スキルを安価に】総務・経理業務のアウトソーシング

給与計算や社会保険手続き、記帳代行といった総務・経理の定型業務は、アウトソーシング(業務委託)に適した分野です。
専門知識を持つ人材を正社員として雇用するのに比べて、アウトソーシングサービスを利用する方が、人件費や採用・教育コストを大幅に抑えられます。
特に中小企業では、一人の担当者が複数の業務を兼任しているケースが多く、専門的な業務まで手が回らない、法改正への対応が遅れるといった課題を抱えがちです。

アウトソーシング先の選定は、実績だけでなく自社との相性も重要です!
専門のサービスに委託することで、業務の質が向上し、担当者は他の業務に集中できるようになります。
必要な業務を必要な分だけ依頼できるため、業務量の増減にも柔軟に対応でき、無駄なコストが発生しません。
⑧【採用コスト削減】リファラル採用制度の構築
採用手法 | メリット | デメリット |
求人広告 | 広く母集団を形成できる | 広告掲載料が高額 応募者の質がばらつく |
人材紹介 | マッチング精度が高い | 成功報酬が高額 (年収の30〜35%) |
リファラル採用 | 採用コストが低い 定着率が高い | 紹介が出ない可能性がある |
新たな人材を採用する際、求人広告や人材紹介サービスを利用すると、多額のコストが発生します。
そこでおすすめしたいのが、社員に知人や友人を紹介してもらう「リファラル採用」です。
リファラル採用の最大のメリットは、採用コストを劇的に抑えられる点にあります。
紹介してくれた社員へのインセンティブ(報奨金)は必要ですが、求人広告費や紹介手数料に比べればはるかに安価です。

紹介インセンティブは、現金だけでなく食事券でも社員に喜ばれます!
リファラル採用の場合、社員が自社の文化や働きがいを理解した上で知人を紹介するため、入社後のミスマッチが起こりにくく、定着率が高いという特徴もあります。
⑨【福利厚生費の最適化】カフェテリアプランの導入

社員の満足度を高めるために福利厚生を充実させたいけれど、コストは抑えたいですよね・・・
そんなジレンマを解決するのが「カフェテリアプラン」です。
これは、企業が社員一人ひとりに一定のポイントを付与し、社員はそのポイントの範囲内で、用意された複数の福利厚生メニューの中から好きなものを自由に選んで利用できる制度です。
企業側は、あらかじめ福利厚生費の総額を予算として確保できるため、経費をコントロールしやすくなります。
一方、社員側は、画一的な福利厚生ではなく、自身のライフスタイルや価値観に合わせて必要なサービスを選べるため、満足度が高まります。

私の会社では共働き世帯が多いこともあり、年1回の社員旅行をやめて、カフェテリア制度を導入したところ、社員に大好評でした☆
社員の満足度を高めつつ、福利厚生費を最適化できる、まさに一石二鳥の制度です。
【まとめ】小さな改善が会社の未来を作る
今回紹介した9つのネタは、どれも小さな取り組みですが、積み重ねることで確実に効果が現れます。
まずは自社の現状を洗い出し、負担の少ないところから改善を始めるのがコツです。
無理のない改善策を選び、業務効率や社員満足度の向上にもつながるよう工夫していきましょう。
総務はコストを切り詰めるだけでなく、会社をより良くする仕組みをつくる役割も担っています。
固定費削減はその第一歩!できることから、少しずつ行動していきましょう♪
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