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電子契約って聞くと、「紙とハンコから解放される!」「郵送しなくてよくなる!」と、いかにも便利そうに感じますよね。
正直、私も最初はそう思っていました。
でも実際に、中小企業で導入を進めてみると、準備が足りなかったり、社内説明でつまずいたり、気づけば運用がうまく回らなくなったり…
いわゆる準備不足 → 社内説明で停滞 → 運用がグダグダという失敗ルートに私自身もハマりかけました。
この記事では、「最初にこの順番でやっておけばよかった…!」と後から思ったことを、電子契約導入のロードマップとしてまとめます。
- 電子契約を検討している中小企業の総務・人事担当さん
- 社長から「電子契約、ちょっと考えてみて」と丸投げされた人
- 紙の契約書に限界を感じているけど、失敗はしたくない人
- 他社事例より「リアルな体験談」が知りたい人
ステップ①導入前の準備

まずは「どの契約から電子化するか」を決める
ここ、めちゃくちゃ大事です。
「今日から全部電子にします!」は、ぶっちゃけ無理です(笑)
契約の種類によって、関係者も確認ポイントもリスクも全然違います。だから最初は、運用が崩れにくいところから始めるのがコツ。
私はまず、業務委託契約とNDA(秘密保持契約)から始めました。
この2つは、内容や締結の流れがある程度決まっているので、電子化しても「この場合どうするの?」が起こりにくいんです。社内でも「誰が確認して」「誰が送るか」がすでに固まっていることが多く、導入初期でも混乱しません。

最初、全部一気にやろうとして…見事に失敗しかけました(笑)
逆に、取引条件が毎回変わる契約や、金額・責任範囲が大きい重要契約をいきなり電子化すると、社内確認が追いつかず混乱しがちです。なのでまずは、定型的で流れが決まっている契約から始めるのが無難です。
紙運用の「現状コスト」を洗い出す
電子契約を提案するとき、「便利そうだから」「他社もやってるから」だけでは、社内は動きにくいです。
実際に効いたのは、紙の契約業務にどれだけ手間と時間がかかっているかを、ざっくりでもいいので見える化することでした。
紙の契約って、印刷して、押印のために回覧して、封入して、郵送して、返送を待って、必要なら催促して、最後はファイリング…。これ、1件だけ見ると小さくても、積み重なると地味に効いてきます。

この中で一番上司に刺さったのが、数字に表れにくい「時間コスト」でした。
たとえば契約書が返ってこないだけで、業務開始が遅れたり、支払い処理が止まったり、担当者が何度も進捗確認をしたり…。こういう“じわじわ業務を圧迫する時間”って、見落とされがちなんですよね。
そこで私は、「1件あたりに発生している作業」と「ざっくりの所要時間」、そして「月の件数」を簡単にメモしました。目的は原価計算ではなく、上司と共通認識を作ることです。

上司との会話が「新ツール導入」じゃなくて「今の無駄を減らす」に変わればOK!
ステップ②社内説明と導入の決裁

電子契約の導入で、実務よりも正直しんどかったのが、「社内をどう説得するか」「どう決裁をもらうか」でした。
決裁者が気にするのは、だいたいこの3つです。
- 印紙なしでも法的に問題はないのか
- コストは増えないのか
- 取引先が困らないのか
ここは「法律の細かい話」を頑張るより、他社でも一般的とか紙も併用できるといった安心材料の方が効きました。
稟議で用意した資料は両面1枚だけ
稟議では、話を広げずに「必要最低限」に絞りました。
- 現状の紙契約の手間とコスト
- 電子契約にした場合の変化
- 月額費用と想定削減額
- まずは一部契約から始める方針
特に効いたのが、「まずは一部だけ」「合わなければ紙に戻せる」という逃げ道を最初から明確にしたことです。
決裁者が一番不安なのは「失敗したらどうなる?」なので、最悪でも業務が止まらない形にしておくと通りやすくなります。
現場説明は決裁後にまとめて一気に
決裁が下りたら、間を空けずに現場へ周知しました。
このとき大事なのは、背景を長く語ることではなく、まずは「決まったこと」と「現場の作業がどう変わるか」を端的に伝えることです。

来月から〇〇の契約は電子契約で進めます!
現場の反応はだいたい「操作は難しい?」「取引先には誰が説明する?」の2つに集約されました。
なので、仕組みや法律の話はせず、簡易マニュアルの場所と困ったら総務へ、そして取引先への説明は総務が対応、この3点だけを繰り返し伝えました。
また「相手が電子を嫌がったら?」という不安には、最初からこう伝えました。

相手が難しそうなら、今まで通り紙でOKです。
電子契約を「強制」ではなく、やり方の選択肢が増えた話として伝えると、現場も構えにくくなります。
ステップ③導入初期

導入直後は、最初から完璧を目指さず、「取引先が難しそうなら紙」というスタンスで取り組みました。
最初から全部電子にすると、例外対応が増えて、総務も現場も疲れてしまうので…^^;
マニュアルは作らず、既存の簡易マニュアルを活用
私の会社では、導入のためにオリジナルのマニュアルは作りませんでした。
理由は、作っても読まれないことが多いからです(笑)
代わりに、電子契約システムに最初から用意されている簡易マニュアルや操作ガイドを配布しました。
説明会では実際の画面を見せながら操作を一度だけ確認して、「まずは操作ガイドのFAQを見る → それでも分からなければ総務に聞いてOK」の流れにしました。

うちの会社、読まない人多いんです(笑)
だから既存の簡易マニュアルがちょうど良かったです。
導入初期は、ゆるく始めて、自然に電子へ寄せていくくらいの温度感がちょうど良かったです◎
そうしてしばらく運用してみて、導入から時間が経ったタイミングで、改めて感じたことがありました。
ステップ④導入後の運用と振り返り

契約書管理が一気に楽になる
電子契約を導入して、いちばん「やってよかった…!」と感じたのは、実は契約書管理でした。
紙で管理していた頃は、過去の契約書を探したり、契約が終わったものを別の棚に移したりと、管理そのものが意外と手間でした。

忙しいときに限って、キャビネットを開けて、ファイルを引っ張り出して、また違った…を繰り返すのは総務あるあるかも(笑)
電子契約にしてからは、取引先名や契約名で検索すれば、すぐに契約書が見つかります。
急に「この契約書、今日中にPDFで送ってほしい」「監査で契約書を出してと言われた」「支払い条件、どっちだった?」と聞かれても、焦らなくなりました。
紙のときにありがちな、「どれが最新版かわからない」「メール添付のPDFが何個もある」といった迷いも減り、安心感が全然違います。
この頃から、これはもう紙の契約には戻れないな、と自然に感じるようになりました。
3〜6か月後に運用を軽く見直す
導入後に意識していたのは、3〜6か月後に軽く振り返ることです。
会議を開くほどではなく、総務のメモ程度でOK。
見ていたのは次の3つだけ。
- 電子で回っている契約はどれか
- 紙に戻っている契約はあるか(理由は何か)
- 現場で困りごとが出ていないか
紙に戻っている契約があっても、責めないのがコツです。
取引先の都合や契約内容によっては、紙の方がスムーズなこともあります。
その代わり、「これは電子の方がラクだったな」という契約を拾い上げて、次の対象を少しずつ増やしていきました。
全部を電子化することが目的ではなく、会社の手間やストレスが減って、ラクな状態が続いていれば、それで十分だと思っています。
まとめ
電子契約って、ツール選びよりも導入までの段取りと社内説明が9割だと思っています。
最初は不安も多いですが、一度回り始めると「なんで今まで紙でやってたんだろう…」って、たぶん思います(笑)
総務の仕事って、目立たないけど確実に会社の時間を生み出す仕事。
電子契約は、紙文化を脱却する一歩だと思います!



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