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社用車のアルコールチェックを始めたら、次は運転日誌もいるらしくて、テンプレートを探しているところです。ただ、保存期間が5年と書いてあるサイトと1年と書いてあるサイトがあって、どれを信じたらいいのか分からなくて…。
私の会社では、社用車には運転日誌(紙)を必ずつけています。
アルコールチェックを始めたときに日誌のほうも見直すことになって、あらためて調べました。
そこでいちばん混乱したのが、保存期間です。
「5年」と書いてあるサイトが多いのですが、根拠にされている条文を開いてみたら、そこには続きがありました。
この記事では、運転日誌に何を書くのか、そして何年とっておくのかを、道路交通法と労働基準法の条文を確認しながらまとめています。
なぜアルコールチェックの記録と1枚にまとめられないのか、保存を3年にしている理由は何か…ぜひ参考にしてくださいね!
- 運転日誌を何年保存すればいいのか、サイトによって書いてあることが違って困っている方
- 運転日誌に何を書けばいいのか、項目をそのまま知りたい方
- アルコールチェックの記録と1枚にまとめようか迷っている方
- 中小企業でひとり総務をしていて、社用車の管理を任されている方
【結論】運転日誌に法律上の保存期間はない!
運転日誌でよく聞かれるのは、この5つです。
| よくある疑問 | 答え |
|---|---|
| 何年保存する? | 道路交通法には保存期間の定めがない。緑ナンバーは1年。労働基準法を根拠に5年とするサイトが多いが、その条文には当分の間は3年という続きがある |
| 何を書く? | 運転者名・運転の開始と終了の日時・運転した距離+運転の状況を把握するため必要な事項 |
| 誰が書く? | 運転を終了した運転者本人。安全運転管理者が代わりに書くものではない |
| エクセルでもいい? | よい。条件を満たせば電磁的記録で日誌に代えられる |
| 書かなかったら罰金? | 日誌そのものを直接罰する規定はない。ただし安全運転管理者の解任を命じられることがある |
表に出てくる緑ナンバーというのは、他人からお金をもらって荷物や人を運ぶ仕事に使う車のことです。
ナンバープレートが緑地に白文字なのでそう呼ばれていて、運送会社のトラックやタクシー、バスがこれにあたります。
自社の荷物や自社の社員を運ぶだけの社用車は白ナンバーで、この記事は白ナンバーの話です。
この2つで決まりが違うことが、保存期間の話がややこしくなっているいちばんの原因でした。
ちなみに「運転日報」と呼ばれることもありますが、条文の言葉は「日誌」です。中身は同じものだと思って構いません。
運転日誌に書く項目は条文で決まっている
運転日誌の根拠は、道路交通法施行規則の第9条の10第8号です。
運転者名、運転の開始及び終了の日時、運転した距離その他自動車の運転の状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させること。
①条文が名指ししている項目は3つだけ
条文がはっきり名前を挙げているのは、次の3つです。
①運転者名
②運転の開始および終了の日時
③運転した距離
そして様式は定められていません。
この3つが入っていれば、あとは会社の実情に合わせて作って構いません。
②「その他必要な事項」に何を入れるか
条文の最後にある「その他自動車の運転の状況を把握するため必要な事項」が、いちばん迷うところだと思います。
ここは具体的に書かれていないので、各社で決めることになります。
うちが入れているものも足すと、こんな並びです。
| 項目 | 書き方のめやす | 条文で名指し |
|---|---|---|
| ①運転者名 | フルネーム。押印やサインの欄をつけてもよい | ✅ |
| ②運転開始の日時 | 日付と時刻 | ✅ |
| ③運転終了の日時 | 日付と時刻 | ✅ |
| ④運転した距離 | メーターの数字(出発時と帰着時)を書くと計算しやすい | ✅ |
| ⑤車両 | ナンバーの下4桁や「営業1号車」でよい | — |
| ⑥行き先 | 訪問先や経由地 | — |
| ⑦使用目的 | 送迎・客先挨拶・資材の運搬など | — |
| ⑧給油 | 給油した量と金額。誰が入れているかが分かる | — |
| ⑨備考 | 車の異常や事故、ヒヤリとしたこと | — |
⑤から⑨は義務ではありませんが、あとで使う場面が出てきます。
たとえば給油の欄は、条文にはない項目です。
これを足したのは、ガソリンを入れる人が偏っていたからです。
いつも同じ人ばかりが給油していて、そのことが誰にも見えていませんでした。
誰が入れたかを書くようにしてからは、偏りがあればすぐ分かります。
③運転日誌の記入例
用紙は車両ごとに分けているので、車両名は表の中ではなく上に書きます。
車両:営業1号車
| 日付 | 運転者 | 出発/帰着 | メーター(出発→帰着) | 走行距離 | 行き先 | 使用目的 | 給油 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9/3 | 総務 太郎 | 9:15/16:40 | 42,180→42,246 | 66km | ◯◯商事 本社 | 客先挨拶 | 30L/5,100円 |
| 9/4 | 人事 花子 | 8:30/12:00 | 42,246→42,268 | 22km | △△駅 | 送迎 | — |
| 9/5 | / | → |
1行が1回の運転になっていて、上から順に書き足していく形です。
車両ごとに用紙を分けておくと、メーターの数字が前の行から続くので、書き間違いにも気づきやすくなります。
メーターの欄と走行距離の欄を分けておくと、書くほうはメーターの数字を写すだけで済みます。
引き算をその場でさせようとすると、そこで止まって空欄になりがちです。
使用目的も、あらかじめ「送迎」「客先挨拶」「資材の運搬」のように並べておいて、丸をつけてもらう形にすると早いです。
書き忘れに気づくのも、たいていメーターの数字です。
前の行の帰着メーターと、次の行の出発メーターが合っていなければ、その間に書かずに乗った人がいることになります。
①メーターがつながっているか見る
②合っていなければ、社用車の利用カレンダーとアルコールチェックの記録から、その日に乗った社員を探す
③本人に声をかけて、空けておいた行に書いてもらう
書き忘れが見つかったときは、前の人の箇所を空けたまま書いてもらうように伝えています。
詰めて書かれてしまうと、あとから誰の分が抜けているのか分からなくなるからです。
日誌を見返すのは、点検で傷が見つかったときと、車に忘れ物があったときくらいです。日付と運転者が並んでいるので、いつごろ誰が乗ったかをたどれます。
運転日誌の保存期間は何年?5年説が多い理由
運転日誌の保存期間ですが、1年と書いてあるサイトもあれば、5年と書いてあるサイトもあります。
数字がいくつも出てくるので、調べるほど分からなくなりました。
食い違いのもとは、根拠にしている法律がそれぞれ違うことでした。
①道路交通法には保存期間の定めがない
運転日誌のことが書かれているのは、道路交通法施行規則の第9条の10第8号です。
そこに書いてあるのは「日誌を備え付け」「運転を終了した運転者に記録させること」だけです。
何年保存する、という言葉が出てきません。
これは書き落としではありません。
すぐ前の第7号(アルコールチェックの記録)には「一年間保存し」とはっきり書かれているので、書き忘れとは考えにくいからです。
七 前号の規定による確認の内容を記録し、及びその記録を一年間保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること。
八 運転者名、運転の開始及び終了の日時、運転した距離その他自動車の運転の状況を把握するため必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させること。
隣り合った号なのに、第7号にだけ「一年間保存し」があります。
そして第7号はアルコールチェックの記録の話で、運転日誌ではありません。
この1年を運転日誌のほうに当てはめてしまっているのが、「運転日誌は1年保存」と書かれている記事だと思います。
②緑ナンバーと黒ナンバーは1年と決まっている
緑ナンバーの車には、はっきりした保存期間の決まりがあります。
運送業などの事業者には別の規則があって、こちらには保存期間がはっきり書かれています。
当該業務を行った運転者等ごとに次に掲げる事項を記録させ、かつ、その記録を一年間保存しなければならない。
同じ規則で、軽自動車で荷物を運ぶ仕事に使う黒ナンバーも対象になっています。
条文には「貨物軽自動車運送事業者にあっては、四輪以上の軽自動車を使用して貨物を運送する事業者に限る」と書かれていて、こちらも1年保存です。
黒ナンバーの安全対策は令和7年(2025年)4月から強化されたので、比較的新しい決まりになります。
ただしどちらも、運送を仕事にしている会社の規則です。
白ナンバーの社用車を使っているだけの会社には、そのまま当てはまりません。
③労働基準法を根拠にした5年説には続きがある
いちばん多いのが、労働基準法の第109条を根拠に「5年」としている書き方です。
条文はたしかにこうなっています。
第百九条 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。
ただ、この法律には附則があって、そこに続きが書かれています。
第百四十三条 第百九条の規定の適用については、当分の間、同条中「五年間」とあるのは、「三年間」とする。
本文は5年ですが、当分の間は3年と読み替えることになっています。
109条だけを引いて「だから5年」と書いてあるサイトは、この附則を見ていないのだと思います。
ちなみに、この附則があるのは2020年4月の改正で保存期間が3年から5年に延ばされたからです。
もともと109条は3年だったのですが、賃金を請求できる期間を延ばす改正にあわせて5年になり、そのときに当分の間は3年のままにする、という附則が置かれました。
なので「昔は5年だったのに短くなった」のではなく、5年に延びていく途中の状態だと考えたほうが近いです。
いつか読み替えがなくなる可能性はあるので、そこは頭に置いておくといいと思います。
さらにいうと、そもそも運転日誌がここでいう「労働関係に関する重要な書類」に当たるのかどうかも、条文からは決まりません。
運転時間を労働時間の管理に使っているなら関係してきますし、行き先の記録として使っているだけなら話が変わってきます。
「5年」と書いてあるのを見て、うちは3年だから足りないのかと焦りました。条文を最後まで開いてみて、やっと落ち着いたところです。
④保存期間は各社の判断で決めることになる
運転日誌の保存期間は、車の区分によって根拠になる法律が違います。
| 車の区分 | 保存期間 | 根拠 |
|---|---|---|
| 緑ナンバー(運送事業) | 1年 | 貨物自動車運送事業輸送安全規則 第8条 |
| 黒ナンバー(軽貨物・四輪以上) | 1年 | 同上(令和7年4月から強化) |
| 白ナンバー(自社の社用車) | 法令上の定めなし | 道交法施行規則 第9条の10第8号 |
| 労働時間の管理に使っている場合 | 3年(当分の間)〜5年 | 労働基準法 第109条・附則第143条 |
道路交通法で決まっていない以上、白ナンバーの会社が何年にするかは自分たちで決めることになります。
実務では、短くて1年、長くて5年くらいの幅で決めている会社が多いようです。
見るところは3つだけです。
①運転時間を労働時間の管理に使っているか(使っているなら労働基準法のほうを見ることになる)
②事故やトラブルのときに、何年前までさかのぼれると安心か
③紙で保管するなら、置き場所が何年分もつか
うちの会社は3年です。
私は安全運転管理者ではないので決めた経緯までは分かりませんが、労働基準法の当分の間の3年と同じ年数になっています。
紙で保管しているので、これ以上長くすると置き場所のほうが先に厳しくなります。
年数の決め方に不安があるときは、労働時間の管理に使っているかどうかも含めて、社会保険労務士に確認しておくと確実です。
運転日誌を書くのは運転者本人でエクセルでもいい
運転日誌を書くのは、運転した本人です。
条文は「運転を終了した運転者に記録させること」と書いています。
つまり書くのは運転した本人で、安全運転管理者や総務が代わりに書くものではありません。
総務の仕事は、書ける形を用意して備え付けておくことのほうです。
そして形式については、電磁的記録で代えてよいことになっています。
前条第八号に規定する事項が、電磁的方法により記録され、必要に応じ電子計算機その他の機器を用いて直ちに表示されることができるときは、当該記録をもつて同号に規定する当該事項が記載された日誌に代えることができる。
必要なときにすぐ画面に出せるなら、エクセルでもアプリでも構わないということです。
なお第9条の10の2の第2項には、国家公安委員会が定める基準を確保するよう努めなければならないとあります。
「努めなければならない」なので、こちらは義務ではなく努力義務です。
運転日誌とアルコールチェックの記録は分けたほうがいい
うちは用紙が2枚あります。
運転日誌と、アルコールチェックの記録です。
1枚にまとめたほうが早い気もするのですが、分けたままにしています。
メーターの数字は、車の中でしか書けないからです。
①運転日誌は社用車に常備した紙に書く
うちの運転日誌は、自分たちでエクセルで作って印刷したものです。
それを車両ごとに1枚ずつ用意して、それぞれの社用車に置いてあります。
乗った人が、その場で自分で書きます。
車に置いているのには理由があって、走行距離はメーターの数字を書くからです。
メーターは車の中にしかないので、事務所に戻ってから書こうとすると、数字を覚えていられません。
②アルコールチェックは社内で書く
アルコールチェックのほうは、社内でやって社内で記入しています。
検知器が社内にありますし、うちは出た数値を別の社員に見せて確認してもらう決まりにしているので、見せる相手も社内にいます。
この確認の仕組みや、そもそも何台からアルコールチェックが義務になるのかは、別の記事に書いています。

③1枚にまとめると必ずどちらかが後回しになる
運転日誌とアルコールチェックの記録を1枚の用紙にすると、どちらかを必ず別の場所で書くことになります。
車の中でアルコールチェックの欄を埋めるか、事務所でメーターの数字を思い出しながら書くか、どちらかです。
そうなると、その場では空欄のままにして、あとでまとめて書くことになります。
あとから書いた記録は、正直なところ記録としての意味が薄いです。
用紙が2枚になるのは面倒に見えますが、書く場所が違うものを無理に1枚にすると、かえって書いてもらえなくなります。うちが分けているのは、もともとそれだけの理由でした。
ただ、分けていたことで思っていなかった効き目もありました。
運転日誌に書き忘れが見つかったとき、アルコールチェックの記録のほうを見れば、その日に誰が乗ったのかを探せます。
2枚あるので、片方が抜けてももう片方が手がかりになります。
1枚にまとめていたら、この使い方はできませんでした。
運転日誌を書かなかったときの罰則
運転日誌を備え付けなかったこと、記録させなかったことを直接罰する規定はありません。
50万円以下の罰金がかかるのは、そもそも安全運転管理者を選任していない場合のほうです。
ただし、安全運転管理者がやるべき業務をしていないと認められたときは、公安委員会が会社に対してその人の解任を命じることがあります。
罰金がないから書かなくていい、という話ではないところは同じです。
まとめ
運転日誌について、押さえておきたいところをまとめます。
①道路交通法に運転日誌の保存期間の定めはない
②1年はアルコールチェックの記録(第7号)と緑ナンバーの決まり。運転日誌の話ではない
③5年の根拠とされる労働基準法109条には、当分の間は3年という附則がある
④条文が名指ししているのは運転者名・開始と終了の日時・運転した距離の3つ。様式は自由
⑤書くのは運転した本人。総務の仕事は書ける形を備え付けておくこと
⑥エクセルでもよい。すぐ表示できることが条件
⑦日誌そのものへの直罰はないが、安全運転管理者の解任を命じられることがある
調べてみて分かったのは、迷っていたのは自分だけではなかったということでした。
書いてある年数がサイトごとに違うのは、条文の読み方が分かれているからです。
決まりがない以上、何年にするかは会社が決めていいところですし、置き場所と相談して決めても構いません。
それより効いたのは、用紙を無理に1枚にまとめなかったことのほうでした。
車を使う会社の総務の仕事としては、こちらの記事もあわせてどうぞ。


ぜひ、参考にしてみてください!

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