紙の契約書はスキャンしたら原本を捨てていい?電帳法の要件について!

電子契約・ペーパーレス化

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総務さん
総務さん

契約書のファイルが増えすぎて置き場所に困っているんですが、スキャンして紙を捨ててしまってもいいんでしょうか?

契約書のファイルがどんどん増えて、キャビネットがパンパンになってきますよね。

スキャンしてデータにして、紙は思い切って捨ててしまいたいと思ったことがある総務担当の方も多いと思います。

私も契約書のファイルを見るたびに、正直同じことを考えています。

ここで扱うのは、最初から紙で作成して両者が押印した、紙の原本しかない契約書です。

相手から電子データで届いた契約書を念のため印刷した場合は、また別の話になります。

この記事では、契約書をスキャンして紙の原本を捨てたい!と考えている総務人事担当者向けに、電子帳簿保存法が求める要件を整理しました。

あわせて、会社法で保管が義務づけられている「重要な資料」の考え方と、私の会社が実際にどう仕分けているかも書いています。

契約書の置き場所で困っている総務の方は、ぜひ参考にしてくださいね!

この記事はこんな人向けです♪
  • 契約書ファイルが増えて置き場所に困っている方
  • スキャンして原本を捨てていいのか知りたい方
  • 電子帳簿保存法のスキャナ保存要件と、会社法上の保管義務の違いを知りたい方
  • 契約書をどう仕分けて捨てるか、実際の判断基準を知りたい方

【結論】要件を満たさなければ契約書は捨てられない

最初に結論になってしまうのですが、契約書は、電子帳簿保存法の「スキャナ保存」という制度の要件を満たしてスキャンした場合だけ、紙の原本を廃棄することができます。

ただスキャンしてデータにするだけでは、原本を捨てる根拠にはなりません。

要件を満たさないまま原本を捨ててしまうと、あとから契約内容を証明できなくなるリスクがあります。

ワーママichi
ワーママichi

スキャンしたからOKではなく、要件を満たしたスキャンだから電帳法を満たすというのがポイントなんです!

契約書は「重要書類」だからタイムスタンプの要件が重くなる

契約書を捨てにくいと感じるのは、契約書が電子帳簿保存法上の「重要書類」に分類されているからです。

ただし対象になるのは、取引に関わる契約書です。

金銭のやり取りを伴わない覚書や、金銭関係のない私的な契約などは、そもそも電帳法の対象外になることもあります。

資金や物のやり取りに直結する契約書・領収書などが重要書類にあたり、見積書や注文書などの一般書類より要件が重くなります。

重要書類は、原則としてタイムスタンプの付与が必須です。

一般書類ならタイムスタンプが不要な場合もあるので、契約書だけが特に慎重な扱いを求められている書類だと言えます。

総務さん
総務さん

見積書とかは気軽にスキャンして捨てられるのに、契約書だけ躊躇してしまうんですよね。

【会社法】契約書を保存する義務について

契約書の保存には、電子帳簿保存法とは別に、会社法上の義務も関わってきます。

電帳法は税務調査のために国税に関する書類の保存ルールを定めた法律で、会社法は会社全体の重要な資料を残すための法律という違いがあります。

会社法432条2項は、株式会社に対して各事業年度の会計帳簿を閉鎖したときから10年間、その事業に関する重要な資料を保存するよう義務づけています。

10年の起算点は契約が終わった日ではなく、決算のたびに区切られる会計帳簿の閉鎖時点なので、この点は取り違えないよう注意が必要です。

契約書は、この「事業に関する重要な資料」にあたると考えられています。

比較電帳法(スキャナ保存)会社法432条2項
目的税務調査のための保存ルール会社の重要な資料を守るルール
対象になる契約書取引に関わる契約書(国税関係書類)事業に関する重要な資料
紙の原本の廃棄3つの要件を満たせば廃棄できる(任意)期間内は保存義務あり
期間の起算点会計帳簿の閉鎖時から10年

電帳法のスキャナ保存の要件をクリアしても、会社法上の保存義務が別に残っている契約書がある、ということです。

ワーママichi
ワーママichi

電帳法だけクリアすればいいわけではなく、会社法の保存義務も別にあるんですね!

スキャナ保存後に契約書を捨てるための3つの要件

契約書をスキャンして紙の原本を捨てるには、次の3つの要件を満たす必要があります。

①解像度200dpi相当以上・フルカラーで読み取る

②受領後おおむね7営業日以内(業務処理サイクル方式なら最長2ヶ月と7営業日以内)にタイムスタンプを付与する

③取引年月日・取引金額・取引先の3つで検索できるようにする

契約書のような重要書類と、見積書のような一般書類では、この3つの要件の重さが変わります。

要件重要書類(契約書・領収書など)一般書類(見積書・注文書など)
解像度・色調200dpi以上・フルカラーグレースケールも可
タイムスタンプ原則必須不要な場合が多い
検索要件取引年月日・取引金額・取引先同じ

タイムスタンプは、そのデータが後から改ざんされていないことを証明する電子的な印のようなものです。

訂正や削除の履歴が残るシステムを使っている場合は、このタイムスタンプを省略できます。

逆に言うと、そうしたシステムを入れていないなら、期限内に手作業でタイムスタンプを取り続ける必要があります。

タイムスタンプは、タイムスタンプ局と呼ばれる有料サービスに、スキャンしたデータを1件ずつ送って証明をもらう仕組みです。

契約書をスキャンするたびに、この作業を期限内に毎回自分の手で行う必要があります。

中小企業の少人数総務にとっては、これがいちばんの負担になると感じています。

契約書を捨てるかどうかで私が実際に判断していること

私の会社では、契約が終わった過去の契約書は重要度に分けてPDF化して原本を廃棄しています。

電帳法のスキャナ保存が求めるタイムスタンプなどの要件を、正直なところ100%整えられているとは言い切れません。

少人数の総務がすべての契約書に完璧な運用を回すのは、現実的に簡単ではないからです。

理想と現実のあいだで、折り合いをつけているのが実情です。

必ずPDFで残し、取引金額を基準に紙原本を残すかどうかを判断しています。

金額だけで判断がつかない契約書は、上長が最終的に判断しています。

そうした契約は、会社法432条2項の「重要な資料」にあたると考えているからです。

それ以外の契約書は、紙の原本を廃棄しています。

ワーママichi
ワーママichi

要件を100%満たしてから捨てる、を待っていたら契約書はいつまでも減らせないので、せめて重要度で線引きすることにしました。

紙の契約書が増え続けたときの対処方法

重要な資料にあたる契約書は、これからも紙のまま増え続けます。

会社法上10年間の保存義務がある以上、置き場所の問題は簡単には解消しません。

そのときの選択肢は、電帳法の要件を整えてスキャナ保存に切り替えるか、契約そのものを電子契約に切り替えるかの2つです。

要件を整えれば、重要な資料にあたる契約書もいずれ電子データだけで保存できるようになります。

契約そのものを電子契約に切り替えれば、届いた時点でデータなので、紙をどう捨てるか悩む必要自体がなくなります。

紙をこれ以上増やしたくないなら、スキャナ保存より契約そのものを電子化する方が近道だと考えています。

契約自体を電子にする場合、相手が紙を希望してくる場面も当然あります。

そのときにどう対応するかは、こちらの記事で先に整理しています。

電子契約を取引先に断られたら?紙希望のときの対応方法とメール例文
電子契約を取引先に断られたときの対応方法を、中小企業のひとり総務の実体験でまとめました。紙を希望される理由、無理に電子化しないという結論、断られたあとの再提案の仕方、そのまま使えるメール例文3つを紹介します。

逆に相手から電子契約が届いて、それを念のため紙に印刷する場合は、収入印紙の扱いが気になるところです。

受け取った電子契約を印刷したときの印紙の要不要は、こちらにまとめました。

電子契約に収入印紙はいらない!印刷して保存するときの注意点
電子契約に収入印紙はいらない理由を、受け取る側の総務目線でやさしく解説。印刷した控えに印紙はいるのか、印刷して保存していいのか、うちの会社の実際の保管方法(キングファイル+共有フォルダ)まで正直にまとめました。

まとめ

契約書の捨て方を、まとめます。

①契約書は要件を満たしてスキャンした場合だけ紙の原本を捨てられる

②会社法432条2項により、重要な資料にあたる契約書は10年間保存する義務がある

③私の会社は必ずPDF化した上で、取引金額や上長の判断で紙原本も残すものを決めている

④100%の要件を満たすのは簡単ではなく、重要度による仕分けで折り合いをつけている

⑤紙をこれ以上増やしたくないなら、契約自体の電子化も選択肢になる

要件を100%満たしてから動くのが理想ですが、それを待っていると契約書はいつまでも減りません。

まずは重要な資料にあたるかどうかで仕分けるところから始めても、間に合うと思っています。

総務さん
総務さん

電帳法と会社法、両方見ないといけないと分かって大変そうに感じましたが、仕分けの基準がはっきりして少し進めそうです。

同じように契約書ファイルの山に困っている総務は、私だけではないと思います。

契約書の置き場所にこれ以上悩まされたくないなら、これから契約自体を電子契約に切り替えるという選択肢もあります。

候補になるのが「KANBEI SIGN」という電子契約サービスです。

契約書の作成から締結・保管までを一元管理でき、フリープラン(月額0円)から始められて初期費用もかかりません。

届いた時点でデータになるので、紙を捨てるかどうかで悩むこと自体がなくなります。

この記事が、契約書の置き場所で悩んでいる総務担当の方の判断材料になればうれしいです。

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