産休・育休で会社がやること完全ガイド!現役総務が時系列で解説

総務・人事の実務

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総務のお仕事をされている皆さん、今日もお疲れ様です!ワーママのichiです。

実は私、いま育休中です。総務として社員の産休・育休の手続きをする側だったのに、今回は自分が手続きされる側。両方を経験してみて、この手続きは総務の仕事の中でもトップクラスに複雑だと実感しました。

人事さん
人事さん

社員から妊娠の報告が…!おめでたいけど、会社側は何をすればいいの?うちの会社では初めてで、聞ける人もいない…

この記事では、妊娠の報告を受けてから育休復帰まで、会社側(総務)がやることを時系列でまとめました。提出先が年金事務所・ハローワーク・健康保険とバラバラで混乱しやすいので、この記事を上から順番になぞれば漏れがない構成にしています。

なお、給付金の率や金額は改正で変わることがあります。この記事は2026年7月時点の情報なので、実際の手続きの際は各公式サイトで最新情報を確認してくださいね。

この記事はこんな人向けです♪
  • 社員から妊娠の報告を受けて何から始めるか迷っている方
  • 会社で初めての産休・育休対応をするひとり総務の方
  • 社会保険料免除や育児休業給付金の手続きの流れを知りたい方
  • 手続きの漏れがないかチェックリストで確認したい方

産休・育休の会社側手続きの全体像

まずは全体の流れを一覧表で押さえましょう。細かい話はあとの章で順番に説明するので、ここでは「この時期にこの提出先」というイメージだけつかめばOKです。

時期会社がやること提出先
妊娠の報告時制度の個別周知・意向確認(義務)―(社内)
産休前住民税の徴収方法の調整―(社内・市区町村)
産休開始産前産後休業取得者申出書(社保免除)年金事務所
出産後出産手当金の申請サポート健康保険
出産後5日以内子どもの扶養追加(被扶養者異動届)年金事務所・健康保険
育休開始育児休業等取得者申出書(社保免除)年金事務所
育休開始〜4ヶ月育児休業給付金の初回申請ハローワーク
育休中給付金の追加申請(2ヶ月ごと)ハローワーク
復帰後月変特例・養育特例の申出年金事務所

こうして並べると多く見えますが、それぞれの手続きは1枚ものの書類が中心です。時期が来たら1つずつ片付けていきましょう。

なお、顧問社労士さんと契約している会社なら、年金事務所やハローワークへの申請は社労士さんが代行してくれることが多いです。その場合も、総務が全体の流れと時期を把握しておくと、本人と社労士さんの間の連携がぐっとスムーズになります。

ワーママichi
ワーママichi

私の会社の場合は、産休・育休の手続きを全部社労士さんが進めてくれて、本人としては書類すら触っていません(笑)。どこまでお任せできるかは契約内容によって違うので、まずは自社の社労士さんに何をお願いできるか確認してみてください。

妊娠の報告を受けたら会社がやること

①制度の個別周知と意向確認は会社の義務

社員から本人または配偶者の妊娠・出産の申出があったら、会社は育休制度について個別に知らせて、取得の意向を確認することが義務になっています(育児・介護休業法)。

伝える内容は、育児休業の制度内容、申出先(総務など)、育児休業給付のこと、社会保険料免除のことです。面談でも書面でもOKなので、小さい会社なら説明資料を1枚作って面談するのが現実的です。

さらに2025年10月からは、仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取と配慮も義務化されています。勤務時間や業務量について本人の希望を聞いて、会社としてできる範囲の調整を検討する流れです。詳しくは厚生労働省の育児休業制度特設サイトにリーフレットがあります。

②産休スケジュールの確認と引き継ぎの調整

出産予定日を確認したら、産休の開始日を計算します。産前休業は出産予定日の6週間前(双子以上は14週間前)から本人の請求で取得でき、産後8週間は法律上働かせてはいけない期間です。

日付の計算は、厚生労働省の母性健康管理サイトにある産前・産後休業期間の計算ツールが便利です。出産予定日を入れるだけで休業期間が出てくるので、本人への案内にもそのまま使えます。

予定日がわかれば産休入りの日が決まるので、そこから逆算して業務の引き継ぎ計画を立てます。ひとり総務さんが産休に入る場合は、誰に引き継ぐかを早めに上司と相談しておきましょう。

産休前と産休中の会社側手続き

産休で会社が手続きするパートは、産休に入る前にやることと、産休に入ってからやることの2段階に分かれます。時間の順番どおりに見ていきましょう。

①産休前にやること=住民税の徴収方法を決める

産休に入る前に片付けておきたいのが住民税です。社会保険料と違って、住民税は産休・育休中も免除されません。

休業中は給与天引き(特別徴収)ができなくなるので、産休前に本人と相談して、本人が自分で納付する普通徴収に切り替えるか、休業前の給与や賞与からまとめて天引きするかを決めます。市区町村への切替の届出も会社の仕事です。本人が休みに入ってからだと連絡も取りにくくなるので、必ず産休前に済ませておきましょう。

ワーママichi
ワーママichi

私の場合は普通徴収に切り替えてもらって、コンビニで一括で払いました。収入がない時期の住民税は結構大きな出費です…。本人にも早めに心づもりを伝えてあげてくださいね。

②産休に入ったらやること=社会保険料免除の申出

産休が始まったら、社会保険料免除の手続きです。産休中は、健康保険料と厚生年金保険料が本人分・会社分ともに免除されます。ただし自動では免除されず、会社が「産前産後休業取得者申出書」を年金事務所(日本年金機構)に提出して初めて適用されます。

提出は産休期間中に行います。添付書類は原則不要で、書類1枚で本人も会社も保険料負担がなくなる、やらないと損な手続きです。様式は日本年金機構のページからダウンロードできます。

なお、出産予定日と実際の出産日がずれた場合は、産休期間も変わるので変更(終了)届を出します。出産日の連絡を受けたらセットで思い出してください。

出産の連絡が来たら会社がやること

①出産手当金の申請をサポートする

産休中は給与が出ない会社が多いですが、その代わりに健康保険から出産手当金(給与のおよそ3分の2)が支給されます。

申請書は協会けんぽ(または健保組合)のサイトからダウンロードできます。流れとしては、まず会社が用紙を用意して産休前に本人へ渡しておく→本人が自分の欄を記入して、出産した病院で医師等の証明欄を書いてもらう→出産後に会社へ提出してもらう、という順番です。

ちなみに私の会社では、この申請も社労士さんがやってくれました。顧問社労士さんがいる会社は、どこまでお願いできるか先に確認しておくとスムーズです。

申請書には会社が賃金の支払い状況を証明する欄があり、ここは本人には書けない部分です。本人から申請書を受け取ったら、会社側の欄を記入して協会けんぽ(または健保組合)に提出しましょう。

ワーママichi
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私の場合は8月に出産して、出産手当金が振り込まれたのは10月下旬でした。産休は基本無給なので、入金まで意外と待ちます。本人にも入金時期の目安を伝えてあげると安心ですよ。

ちなみに出産育児一時金(1児につき50万円)は、病院への直接支払制度を使うケースがほとんどで、会社側の手続きは基本的にありません。制度があることを本人に案内すれば大丈夫です。金額や制度は見直しの議論が進んでいるので、最新情報は厚生労働省の出産育児一時金のページで確認してください。

②子どもを扶養に入れる手続きは5日以内

生まれた子どもを社員の扶養に入れる場合は、被扶養者(異動)届を事実発生から5日以内に提出します。期限が短いので、出産の連絡を受けたらすぐ動くのがコツです。

ただし、共働きの場合は注意点がひとつ。子どもは原則として夫婦のうち年収が高い方の扶養に入れるルールになっています。配偶者の方が年収が高ければ、扶養の手続きは配偶者の勤務先で行うことになるので、自社で手続きするとは限りません。出産の連絡が来たら、どちらの扶養に入れるかを先に本人に確認しましょう。

ワーママichi
ワーママichi

うちは主人の方が年収が高いので、子どもは主人の会社で扶養の手続きをしてもらいました。社員から出産の報告があっても、扶養はうちの会社じゃないというケースは普通にありますよ♪

子どもの医療機関受診(1ヶ月健診など)はすぐやってくるので、資格確認書やマイナ保険証の利用登録の案内も早めにしてあげると喜ばれます。

扶養の手続き全般はこちらの記事で詳しくまとめています。

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育休中の会社側手続き

①育児休業の社会保険料免除を申し出る

産休が終わって育休に入ったら、社保免除の手続きをもう一度行います。今度は「育児休業等取得者申出書」です。産休のときと同じく年金事務所に提出し、本人分・会社分とも免除されます。様式と記入例は日本年金機構のページにあります。

産休の免除と育休の免除は別の手続きです。産休分を出したから終わり、と思い込みやすいので気をつけてください。

②育児休業給付金の初回申請が一番の山場

育休中の収入の柱になるのが、雇用保険の育児休業給付金です。給付率は休業開始時賃金の67%(育休開始から181日目以降は50%)で、非課税かつ社会保険料も免除されるので、手取りベースでは約8割といわれています。

会社がやることは、「育児休業給付受給資格確認票・(初回)支給申請書」と「休業開始時賃金月額証明書」をハローワークに提出することです。賃金台帳や出勤簿、母子健康手帳の写しなどの添付書類も必要です。

初回申請の期限は、育休開始日から4ヶ月を経過する日の属する月の末日。余裕があるように見えて、書類集めに時間がかかるので早めの着手がおすすめです。詳しくはハローワークの雇用継続給付のページで確認できます。

ワーママichi
ワーママichi

私は8月に出産して、最初の育児休業給付金が入ったのは12月中旬でした。それまでの収入は10月下旬の出産手当金だけ。手続きが遅れるほど振込はさらに先になって本人の家計に響くので、総務さんここは頑張りどころです!

③2ヶ月ごとの追加申請と延長対応

育児休業給付金は初回で終わりではなく、原則2ヶ月ごとにハローワークへ追加申請が必要です。支給申請のたびに次回の申請時期が指定されるので、カレンダーやタスク管理に登録して忘れない仕組みを作っておきましょう。

また、保育所に入れないなどの事情があれば、育休は1歳6ヶ月まで、さらに2歳まで延長できます。延長する場合は給付金と社保免除それぞれで手続きが必要で、保育所の入所保留通知書などの確認書類も求められます。近年は延長の審査が厳しくなっているので、本人には保育所の申込書類を捨てずに取っておくよう伝えておくと安心です。

育休からの復帰時に会社がやること

①社会保険の2点セットで年金と保険料を調整する

復帰後に時短勤務などで給与が下がる場合、社会保険で2つの特例手続きがあります。

1つ目は育児休業等終了時報酬月額変更届。通常の随時改定より緩い条件で、下がった給与に合わせて社会保険料を早く安くできる手続きです。詳しくは日本年金機構の解説ページで確認できます。

2つ目は養育期間標準報酬月額特例申出書(養育特例)。保険料は下がった給与で計算しつつ、将来の年金額は下がる前の給与で計算してもらえるという、本人にとっていいとこ取りの制度です。戸籍と住民票の添付が必要で、知らないと誰も教えてくれない手続きなので、総務から本人に必ず案内してあげてください。様式と記入例は日本年金機構の養育特例のページにあります。

人事さん
人事さん

養育特例、初めて聞いた…。時短で給料が下がっても年金は守られるなんて、本人に絶対教えてあげたい!

②時短勤務など両立支援制度を案内する

復帰にあたっては、本人が使える制度の案内も総務の仕事です。3歳未満の子を育てる社員が請求できる時短勤務(原則6時間)、小学校就学前までの残業免除、子の看護等休暇などがあります。

このあたりは法改正で対象がどんどん広がっている分野です。2025年からの改正内容は、こちらの記事とあわせて確認してみてください。

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産休・育休の会社側手続きでよくある疑問FAQ

男性社員から育休を取りたいと言われたら?

手続きの流れは基本的に同じです(産休がない分シンプルです)。男性には子の出生後8週間以内に4週間まで取れる産後パパ育休(出生時育児休業)という制度もあり、2回に分けて取ることもできます。

さらに2025年4月からは出生後休業支援給付金が始まっていて、夫婦ともに14日以上育休を取るなどの要件を満たすと、最大28日間は給付率が13%上乗せの80%になります。社会保険料免除や非課税と合わせると手取り10割相当といわれていて、男性育休を後押しする材料になります。要件の詳細は厚労省の特設サイトで確認してください。

パートや契約社員も産休・育休を取れる?

産休は雇用形態に関係なく誰でも取れます。育休も、有期契約の場合は子が1歳6ヶ月になるまでに契約が満了して更新されないことが明らかな場合を除いて取得できます。

社会保険料免除は社会保険に入っていること、育児休業給付金は雇用保険に入っていることがそれぞれ前提になるので、加入状況を先に確認しておきましょう。

手続きが多すぎて自信がない…初めてでも大丈夫?

大丈夫です。私も最初の担当のときは、この記事に書いた流れを調べながら1つずつ進めました。

わからないことは、社会保険関係なら年金事務所、給付金関係ならハローワークに電話すると、記入方法まで丁寧に教えてくれます。総務がひとりでも、行政の窓口は意外と頼りになる味方です。

まとめ

産休・育休の会社側手続きは、時期ごとにやることを整理すれば怖くありません。最後にチェックリストでおさらいです。

①妊娠の報告→制度の個別周知・意向確認(義務)

②産休前→住民税の調整/産休開始→社保免除の申出書

③出産→出産手当金のサポート+扶養追加(5日以内)

④育休開始→社保免除(産休とは別)+給付金の初回申請(4ヶ月以内)

⑤育休中→2ヶ月ごとの追加申請+延長対応

⑥復帰→月変特例+養育特例+両立支援制度の案内

おめでたい報告から始まる手続きなので、総務としても気持ちよくサポートしたいところ。この記事が、初めての産休・育休対応の道しるべになればうれしいです。

今日もお疲れ様でした!

この記事を書いた人

大阪在住・2児の母。中小企業(従業員120名)で総務人事歴7年目のワーキングマザー。第一種衛生管理者。給与計算・入退社手続き・就業規則改定・採用・社内DXまでほぼ一人で担当。同じ立場の方に役立つリアルな情報を発信中。

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