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社長から「脱ハンコを進めて」と言われたんですが、正直、何から手をつければいいのか分からなくて…。
「脱ハンコ」という言葉はよく聞くようになりましたが、いざ自分が任されるとなると、どこから手をつけたらいいのか迷いますよね。
私も最初は「会社中のハンコを全部なくすの?そんなの無理でしょ…」と身構えていました。
でも実際にやってみると、いきなり全部なくす必要はなくて、減らせるところから順番に進めればいいと分かってきました。
この記事は、脱ハンコを任されたけれど何からやればいいか分からない中小企業の総務担当者に向けた記事です。
社内のハンコを棚卸しして、なくせるものから社内ルールにしていく手順を、そのまま使えるひな形つきでまとめました。
- 「脱ハンコを進めて」と言われて何からやればいいか分からない総務担当者さん
- 中小企業で無理なくハンコを減らしたい方
- 脱ハンコの社内ルールの作り方・進め方を知りたい方
- ハンコ廃止で現場が混乱しないか不安な方
【結論】脱ハンコは「減らせるハンコから」でOK
先に結論からお伝えします。
脱ハンコは、会社中のハンコを一斉になくすことではありません。
「なくせるハンコから、少しずつ減らしていく」で十分です。
進め方は、大きくこの3ステップだけです。
| 順序 | やること |
|---|---|
| STEP1 | 社内でどんなハンコを使っているか洗い出す |
| STEP2 | 「なくせる/相手次第/残す」に仕分けする |
| STEP3 | なくせるハンコの新しいやり方を社内ルールにする |
この順番で進めれば、現場を混乱させずに脱ハンコを進められます。
「全部いっぺんに」と思うと動けなくなるので、私はまず社内文書のハンコから小さく始めました。それだけでも押印の手間がかなり減りましたよ。
中小企業で脱ハンコを進めるメリットとは?
中小企業こそ、脱ハンコのメリットは大きいです。
ひとり総務が押印依頼・郵送・ファイリングを全部こなしている会社ほど、その手間がまるごと減るからです。
- 押印のための出社や、書類の郵送がいらなくなる
- ハンコを押してもらうための「待ち時間」がなくなる
- 印紙代・郵送費・保管スペースのコストが下がる
- テレワークや急な在宅でも手続きが止まらない
ちなみに、契約書にハンコが必要という法律上の決まりは、実はほとんどありません。
国(内閣府・法務省・経済産業省)も「特段の定めがある場合を除き、押印がなくても契約の効力に影響は生じない」という考え方を示しています。
つまり多くの場合、「昔からハンコを押していたから」という慣習で続けているだけ、というケースが多いんです。
中小企業の脱ハンコの進め方3ステップ
ここからは、実際の進め方を3ステップで見ていきます。
STEP1:社内のハンコを棚卸しする
まずは「どこでハンコを使っているか」を、全部書き出します。
意外とたくさんあるので、洗い出すだけで「これ、いらなくない?」というものが見えてきます。
よくあるハンコの使いどころは、このあたりです。
- 稟議書・社内申請書
- 契約書・覚書
- 注文書・発注書
- 請求書・領収書
- 勤怠・休暇届などの社内書類
- 回覧・確認のハンコ
この段階では、なくせるかどうかは考えず、とにかく洗い出すのがコツです。
STEP2:「なくせるor残す」で分類する
洗い出したハンコを、「なくせる」「相手次第」「残す」の3つに仕分けします。
仕分けの目安は、この早見表です。
| 分類 | あてはまる例 | どうする |
|---|---|---|
| ✅ すぐなくせる (社内文書) | 稟議・社内申請・回覧・確認印 | 電子承認やメール承認に置き換える |
| △ 相手次第 (対外文書) | 契約書・注文書・請求書 | 電子契約やメール送付に(相手が紙希望なら紙のまま) |
| ⛔ 残す (法的に必要など) | 実印が必要な契約・登記書類・一部の届出 | 無理になくさない |
社内文書は相手がいないので、いちばん最初に手をつけやすいです。
対外文書は相手の事情もあるので、応じてくれるところから電子にしていきます。
実印や登記みたいに、ハンコを残さないといけないものもあるんですね。全部なくさなくていいと聞いて、ちょっと安心しました。
STEP3:社内ルールにして周知する
「なくせる」に分類したハンコは、新しいやり方を決めて社内ルールにします。
ルールがないと「これハンコいる?いらない?」と毎回迷って、結局ハンコに戻ってしまうからです。
決めることはシンプルで、「どの文書のハンコをなくすか」と「代わりにどうやって承認するか」の2つだけです。
社内ルールに入れておくこと【コピペOKのひな形】
社内ルールに盛り込む項目は、この5つで十分です。
①ハンコを廃止する文書の種類(対象範囲)
②ハンコの代わりの承認方法(電子承認・メール承認・署名など)
③承認する人(誰の承認が必要か)
④例外として紙・ハンコを残す文書
⑤運用の開始日と問い合わせ先
そのまま使える、簡単な文面のひな形も置いておきます。
【押印廃止に関する社内ルール(例)】
・以下の社内文書は、〇年〇月〇日より押印を廃止し、〇〇(グループウェア等)での電子承認に切り替えます。
対象:稟議書、休暇届、各種社内申請書
・対外文書(契約書・注文書など)は、相手先の同意が得られたものから電子契約に移行します。
・実印・銀行印が必要な手続き、登記関連の書類は、これまで通り書面・押印で対応します。
・ご不明な点は総務(担当:〇〇)までお問い合わせください。
難しく考えなくても、これくらいシンプルな一枚で十分に伝わります。
脱ハンコでよくあるつまずきと対策
脱ハンコを進めるときに、多くの会社がぶつかるポイントと対策をまとめておきます。
社長がハンコにこだわる
「ハンコは大事なもの」という感覚の経営者は、まだまだ多いです。
そんなときは、押印にかかっている時間や郵送費を数字で見せて、「全部やめる話ではなく、まず社内文書だけ」と小さく提案すると通りやすいです。
取引先が紙・ハンコを求めてくる
対外文書は相手がいるので、こちらだけでは決められません。
応じてくれる取引先から電子に切り替えて、紙を希望する相手はそのまま紙で対応すればOKです。
取引先に「紙で」と言われたときの対応は、こちらの記事でくわしくまとめています。

電子承認のツールがない
高価なシステムが必須というわけではありません。
まずは今あるメールや、無料プランのあるツールでの承認から始めれば十分です。
たとえば、LINE WORKSやChatworkの無料プラン、Googleフォームとスプレッドシートで作る簡易的な申請・承認のしくみなどでも十分回せます。
【体験談】有給休暇の申請を脱ハンコした話
参考までに、私が実際に社内文書の脱ハンコを進めたときの話を書いておきます。
うちの会社では、有給休暇の申請書を紙でやっていて、ハンコを押して紙のまま保存していました。
ただ、勤怠はカードをタッチして自動集計するシステムを使っていたので、その勤怠システムから有給も申請できるように仕組みを変えました。
これで、申請書の印刷もハンコも紙の保管も、まとめてなくなりました。
しかも、申請を電子にしただけで、有給休暇の取得状況が一目でわかるようになりました。
「あと何日残ってる?」という残数の問い合わせも減って、こちらの手間まで減ったのは思わぬ収穫でした。
わざわざ新しいシステムを入れなくても、まず「今あるシステムでできないか」を考えるのがコツでした。
とはいえ、最初からスムーズだったわけではありません。
嘱託社員や年配の方からは「システムは面倒」という声もあり、はじめは紙とシステムのハイブリッドで進めました。
そこから、社内報でどれくらい電子申請が進んでいるかを伝えたり、システムでの申請が分からない人を地道にサポートしたりして、少しずつ電子化100%を目指していきました。
一気に切り替えず「できる人から、サポートしながら」進めたのが、結果的にうまくいったポイントだと思っています。
社内のハンコが減ったら次は対外の契約も電子化
社内文書のハンコが減ってきたら、次のステップは対外的な契約の電子化です。
契約書までハンコなしにできると、押印・郵送・保管の手間がまるごと消えます。
電子契約の始め方や選び方は、こちらの記事でまとめています。

対外的な契約まで脱ハンコを進めるなら、電子契約サービスを使うのが近道です。
なかでも候補になるのが「KANBEI SIGN」という電子契約サービスです。
ハンコを廃止しても、自社の印影を電子で押せる機能があるので、「見た目はこれまで通りの押印」で契約を電子化できます。
契約書の作成・締結・保管までを一元管理でき、フリープラン(月額0円)から始められて初期費用もかからないので、まず試すハードルも低いです。
まとめ
脱ハンコをうちの会社で進めるときのポイントを、まとめます。
①脱ハンコは「全部なくす」ではなく「減らせるハンコから」でOK
②まず社内のハンコを棚卸しする
③「なくせる/相手次第/残す」に分類する
④なくせるハンコは社内ルールにして周知する
⑤実印・登記など残すべきハンコは無理になくさない
⑥社内が済んだら、対外契約の電子化へ
脱ハンコは、気合を入れて一気にやるものではなく、減らせるところからコツコツ進めれば大丈夫です。
この記事が、脱ハンコを任されて戸惑っている総務担当の方のヒントになればうれしいです。

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