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傷病手当金の申請書が社員から回ってきたんですが、会社側の欄ってどこまで自分たちで書くものなんですか?社労士さんにお願いすればいいのか、総務がやることが残っているのか、正直よくわかっていなくて…。
社員から診断書を渡されて、これから傷病手当金の手続きが始まるとなると、何から手をつければいいのか一瞬固まってしまいますよね。
私の会社は顧問社労士と契約しているので、申請書のいちばん面倒な欄は社労士さんにお願いしています。
ただ、総務側にもやることがいくつか残っていて、最初は自分でも把握できていませんでした。
この記事では、社員から診断書を受け取ってから協会けんぽに書類が届くまでのあいだで、総務が実際に動く5つの場面をまとめています。
事業主記入欄を誰が書くのか、休職中の社会保険料はどうなるのか、退職のタイミングで何に気をつければいいのか…ぜひ参考にしてくださいね!
- 社員から傷病手当金の申請書を渡されて、会社側が何をすればいいのか分からない方
- 顧問社労士と連携しながら手続きを進めている総務担当者の方
- 顧問社労士がおらず、事業主記入欄を自分で書く必要がある方
- 休職中の社会保険料をどう扱えばいいのか知りたい方
- 退職と傷病手当金の受給が重なるケースの注意点を知りたい方
【結論】傷病手当金は社労士と本人と総務の3人で手続きを進める
傷病手当金の手続きでよく聞かれるのは、この5つです。
| よくある疑問 | 答え |
|---|---|
| 会社は何をする? | 診断書を預かり、社労士(いなければ総務)に連絡し、申請書の医師記入欄を本人・医療機関へ渡す窓口役を担う |
| 事業主記入欄は誰が書く? | 顧問社労士がいる会社では社労士が作成することが多い。いない場合は総務が給与台帳などをもとに記入する |
| いくらもらえる? | おおよそ標準報酬月額の3分の2(直近12ヶ月平均÷30×2/3) |
| いつまでもらえる? | 支給開始日から通算して1年6ヶ月分(令和4年〈2022年〉1月の改正で「通算」に変更) |
| 退職後ももらえる? | 資格喪失前日まで1年以上の被保険者期間があり、資格喪失時に傷病手当金を受けているか受けられる状態なら継続してもらえる(退職日に出勤すると対象外) |
傷病手当金の対象になる休み方
傷病手当金の対象になるのは、業務外の病気やケガで働けない状態になったときです。
支給の条件は、協会けんぽが4つにまとめています。
①業務外の病気やケガで療養中であること
②療養のため働くことができないこと
③連続する3日間を含めて4日以上休んでいること(最初の3日間は待期期間として支給されない)
④休んでいる間、給与の支払いがないこと(一部支払いがあれば差額を支給)
私の会社でも、これまでにうつ病や適応障害で長期に休んだ社員が何人かいました。
休む理由は人それぞれですが、診断書が出れば対象になる、という点は同じです。
実際に休んだ社員の多くは、うつ病や適応障害でした。休み始めの数日は、有給休暇を充てるか本人に確認したりしていました。
手続きの流れ:総務は何をする?
傷病手当金の手続きで、総務が実際に動く場面は5つあります。
①本人から診断書を預かる
傷病手当金の手続きは、社員本人から診断書を受け取るところから始まります。
診断書には、いつからいつまで働けない見込みかが書かれているので、まずはそこを確認します。
②社労士に連絡する
診断書を受け取ったら、その内容をもとに顧問社労士へ連絡します。
私の会社は社労士と契約しているので、ここから先の書類まわりはほとんど社労士さんにお任せしています。
顧問社労士がいない会社の場合は、この時点で総務が申請書一式を用意することになります。
③申請書の医師記入欄を本人へ渡す
申請書のうち医師が記入する欄は、本人を通じて医療機関に書いてもらいます。
申請書には、本人が書く被保険者記入欄・医師が書く欄・事業主が書く欄の3つがあります。
私の会社では、被保険者記入欄も社労士さんが対応してくれているので、総務が本人に渡すのは医師が書く欄だけです。
通院のタイミングでその部分を医療機関に記入してもらうよう、本人にお願いしています。
④事業主記入欄は社労士が作成する
事業主記入欄は、私の会社では社労士さんが作成しています。
欄には勤務状況や給与の支払い状況を記入する必要があり、給与台帳などの情報が必要になります。
顧問社労士がいない会社では、ここを総務が自分で埋めることになります。
⑤協会けんぽへ提出する
3つの記入欄がそろった申請書は、最後に協会けんぽへ提出します。
提出先は、申請する社員が加入している協会けんぽの都道府県支部です。
提出も社労士さんが代行してくれるので、私自身が窓口や郵送で手続きをした経験はありません。
社労士さんが申請してから実際に振り込まれるまでは、2週間程度でした。
私の会社では、顧問社労士さんが主に手続きをやってくれるので、私がやっているのは診断書を預かることと、社労士さんと本人のあいだをつなぐことだけです。書類そのものを書いたり出したりはしていません。
顧問社労士がいない場合の事業主記入欄の書き方
傷病手当金の事業主記入欄は、顧問社労士がいなければ総務が自分で書くことになります。
申請書は4枚1組で、被保険者記入用2枚・事業主記入用1枚・医師が書く療養担当者記入用1枚に分かれています。
総務が書くのは、このうち事業主記入用の1枚です。
①被保険者氏名(カタカナ)
②勤務状況(出勤した日を〇で囲む)
③賃金(報酬)の支払い状況
④事業所の所在地・名称・事業主氏名・電話番号
勤務状況は出勤した日を〇で囲む
勤務状況は、出勤した日を数字の並びから〇で囲んで示す形式です。
| 状況 | 記入方法 |
|---|---|
| 出勤した日 | 数字を〇で囲む |
| 所定労働時間の一部だけ働いた日 | 出勤した日として〇をつける |
| 有給休暇・会社の公休日 | 〇をつけなくてよい |
たとえば、月の前半は出勤していて途中から休み始めた場合は、出勤していた日の数字だけを〇で囲み、休んだ日はそのままにしておきます。
協会けんぽの記入見本には、実際の様式の見た目も載っているので、初めて書くときは見ながら進めると安心ですよ♪
賃金の支払い状況は支給日がある場合だけ書く
賃金の欄は、出勤していない日に給与や手当を支給した日がある場合だけ記入します。
- 有給休暇の賃金
- 出勤の有無にかかわらず支給する通勤手当・住宅手当など
支給していない場合は、無理に0円と書く必要はなく、空欄のままで構いません。
事業所情報の記入と押印
事業所の所在地・名称・事業主氏名・電話番号を記入し、証明した日付を書きます。
押印については、今の様式に印鑑を押す欄そのものがなく、事業主の氏名を記入するだけで証明したことになります。
提出方法と添付書類
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出先 | 申請する社員が加入している協会けんぽの都道府県支部 |
| 提出方法 | 郵送 |
| 電子申請 | 2026年1月から対応。ただし事業主は利用不可(本人か社労士のみ) |
| 添付書類 | 出勤簿・賃金台帳の写しは原則不要 |
会社自身が電子申請をすることはできないので、事業主記入用のページを作成したら、本人か社労士に渡すことになります。
出勤簿や賃金台帳のコピーも、念のため一緒に送ったほうがいいですよね?
協会けんぽの申請書の手引きにも、事務の効率化のため添付しないよう明記されています。
念のため添付してしまう総務担当者も多いようですが、基本的には申請書だけで大丈夫です。
よくあるミス:勤務状況と労務不能期間の食い違い
社労士事務所の解説によると、事業主記入欄でつまずきやすいのが、勤務状況の記入と医師が書く労務不能期間の食い違いです。
出勤した日として〇をつけた日と、医師が労務不能と認めた期間が重なっていると、協会けんぽから確認や差し戻しが入ることがあるようです。
提出する前に、この2つの期間が矛盾していないか見比べておくと安心です。
支給される条件・金額・期間
傷病手当金がいくら、いつまでもらえるかは、休んでいる本人も気になるところです。
支給額は標準報酬月額の3分の2
支給額は、直近12ヶ月の標準報酬月額を平均した額を30で割り、その3分の2にあたる金額です。
入社から日が浅く12ヶ月分の記録がない場合は、その平均額と全被保険者の平均標準報酬月額のどちらか低いほうで計算されると、協会けんぽの給付内容の「支給金額」の説明にあります。
支給期間は通算して1年6ヶ月
支給期間は、支給が始まった日から通算して1年6ヶ月分です。
| 時期 | 支給期間の数え方 |
|---|---|
| 令和4年(2022年)1月の改正前 | 途中で復職して給付が止まった期間があっても、暦のうえで1年6ヶ月が経てば打ち切り |
| 改正後(現在) | 給付が止まっていた日を除き、実際に支給された日数が1年6ヶ月に達するまで延長 |
厚生労働省の改正内容の発表ページによると、この改正には経過措置があり、令和2年(2020年)7月2日以降に支給が始まった人には新しいルールがさかのぼって適用されます。
令和2年7月1日より前に支給が始まった人は、従来どおりのルールのままです。
支給期間が「通算」に変わったことは、正直この記事を書くまで私も知りませんでした。長く休んで復職した社員がいたら、期間の数え方を一度確認したほうがよさそうです。
休職中の給与・社会保険料はどうなる?
休職中の社員から総務がよく聞かれるのが、給与と社会保険料の扱いです。
有給休暇を使った日は給与が支払われるため、傷病手当金の対象にはなりません。
ただし、休み始めの3日間の待期期間は、有休や土日を挟んでいても数えることができます。
給与が止まっているあいだ、社会保険料はどうなるんですか?本人が払えなくなったりしませんか?
社会保険料は、産休や育休のような免除の制度がなく、休んでいる間も発生し続けます。
会社によって、次のような方法で対応しています。
①本人が毎月会社の口座へ振り込む
②会社が立て替えて、復職後の給与から差し引く(事前に本人の同意が必要)
③会社が立て替えて、復職後にまとめて請求する
どの方法にするかは会社の判断になるので、休職者が出る前に社労士さんと決めておくと、いざというときに迷わずに済みます。
退職後も傷病手当金はもらえる?
退職と傷病手当金の受給が重なる社員から、退職後も続けてもらえるかを聞かれることがあります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 被保険者期間 | 資格喪失日の前日まで継続して1年以上 |
| 受給状況 | 資格喪失の時点で傷病手当金を受給しているか、受給の要件を満たしていること |
「受給しているか、要件を満たしていること」は、どちらか一方でよいという意味です。
すでに受給中であること、または申請中・審査中でも働けない状態が続いていて受給の条件自体は満たしていること、どちらかにあてはまれば対象になります。
協会けんぽのよくあるご質問にある「退職後の期間についても傷病手当金を申請できますか」という項目で案内しています。
被保険者期間と受給状況、この2つの条件を両方満たせば、退職後も残りの期間について傷病手当金を受け取れます。
退職日に出勤すると継続給付を受けられなくなる
退職日に出勤してしまうと、その日は労務不能ではなかったことになり、継続の要件を満たせなくなります。
退職日の出勤については、協会けんぽのよくあるご質問「退職後の期間についても傷病手当金を申請できますか」の中に注記があります。
最終出社日や有給消化のタイミングを決めるときは、この点を本人と社労士さんの両方に共有しておくと安心です。
在職中に一度も申請していなくても退職後に申請できる
在職中は具合が悪くても申請しないまま、そのまま退職してしまう社員もいます。
| ケース | 傷病手当金の対象になるか |
|---|---|
| 在職中から働けない状態が続いていたが、申請しないまま退職した | なる(退職日の前日まで働けない状態が続いていれば、退職後に初めて申請できる) |
| 退職してから初めて体調を崩した | ならない(在職中に発症した病気やケガであることが制度の前提) |
在職中に一度でも受給していなければならない、というルールはありません。
社労士法人が運営するオウンドメディアでも、在職中に申請していなくても退職後に申請して問題ないと説明されています。
退職した元社員から連絡が来たときの対応
退職した元社員から連絡が来たときも、総務がやることの基本は変わりません。
| 確認事項 | 対応 |
|---|---|
| 事業主記入欄 | 在籍していた期間についてのみ証明する(申請期間がすべて退職後なら証明は不要) |
| 記録の保存 | 出勤簿・賃金台帳は法律上、一定期間保存しておく必要がある |
| 追加書類 | 資格喪失にともない「健康保険加入状況等申告書」が必要になるが、本人が用意するもの |
申請する期間がすべて退職後だけで完結する場合に証明が不要になる点は、協会けんぽ京都支部の案内で確認できます。
出勤簿・賃金台帳の保存期間は、労働基準法109条で原則5年、現在は経過措置で当分のあいだ3年とされています!
退職の手続き自体は、こちらの記事に社会保険の資格喪失や必要書類までまとめています。同じタイミングで進めることになるので、あわせて確認しておくと動きやすいと思います。

傷病手当金の手続きチェックリスト
診断書を受け取ったら、この順番で確認すると迷いません。
①診断書に書かれた期間(いつからいつまで働けない見込みか)を確認する
②顧問社労士の有無を確認し、いる場合はすぐに連絡する
③申請書の医師記入欄を本人に渡し、医療機関で書いてもらうよう伝える
④被保険者記入欄・事業主記入欄を誰が書くか(社労士か総務か)を確認する
⑤休職中の社会保険料をどう徴収するか、本人・社労士と決めておく
⑥退職が絡む場合は、退職日に出勤しないよう本人と共有する
まとめ
傷病手当金の手続きで総務がやることを、ポイントでまとめます。
①総務の役割は、診断書を預かり、社労士と本人のあいだをつなぐ窓口役
②事業主記入欄は、顧問社労士がいれば社労士が作成することが多い
③顧問社労士がいない場合は、勤務状況・賃金の支払い状況・事業所情報を総務が記入し、都道府県支部へ郵送する
④支給額はおおよそ標準報酬月額の3分の2、支給期間は通算して1年6ヶ月分
⑤休職中の社会保険料は免除されないため、徴収方法を事前に決めておく
⑥退職日に出勤すると、退職後の継続給付が受けられなくなることがある
手続きの主体が社労士さんでも、診断書を最初に受け取るのは総務です。
流れさえ分かっていれば、いざというときに慌てずに動けると思います。
ぜひ、参考にしてみてください!

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