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育休中の社員にも、12月のボーナスを出すことになりました。社会保険料って全部引かなくていいんでしたっけ…?雇用保険や所得税はどうなるのかも自信がなくて…。
育休中の社員にボーナスを出すとき、何を引いて何を引かないのか迷いますよね。
結論から言うと、健康保険料と厚生年金保険料は、ほとんどの場合は免除になります。
ただし、雇用保険料は育休中でもかかり、所得税は計算のしかたが変わります。
私自身いま育休中で、2025年12月に出たボーナスの明細で引かれていたのは雇用保険料だけでした。
この記事では、免除の条件・雇用保険料・所得税・賞与支払届を、総務人事が支給前に確認する順番でまとめています。
産休・育休で会社がやること全体は、こちらの記事にまとめています。

- 育休中の社員にボーナスを出すことになった総務人事の方
- 賞与の社会保険料が免除になる条件をすぐ確認したい方
- 育休中の賞与の雇用保険料や所得税の扱いもまとめて知りたい方
【結論】育休中の賞与は4つで扱いが違う
育休中の社員に払う賞与は、健康保険・厚生年金・雇用保険・所得税で扱いがそれぞれ違います。
| 項目 | 育休中の賞与の扱い | 私の明細 |
|---|---|---|
| 健康保険料 | 条件を満たせば免除※1 | 0円 |
| 厚生年金保険料 | 条件を満たせば免除※1 | 0円 |
| 雇用保険料 | かかる(免除の仕組みがない) | 控除あり |
| 所得税 | 計算方法が変わる※2 | 0円 |
※1 育休が1か月を超えていて、賞与月の月末にもまだ育休中である場合
※2 前の月の給与がないため、賞与を6で割って計算します
私の明細も、引かれていたのは雇用保険料だけでした。金額は書きませんが、4つの扱いは表のとおりでした。
育休中の賞与の社会保険料は免除
育休中に払う賞与の健康保険料と厚生年金保険料は、条件を満たせば本人の分も会社の分も免除になります。
賞与の保険料の免除は、会社が年金事務所に「育児休業等取得者申出書」を出すことで受けられます。
健康保険組合に入っている会社は、健康保険組合にも出します。
子ども・子育て支援金も一緒に免除
2026年4月分から、健康保険料と一緒に子ども・子育て支援金が集められるようになりました。
子ども・子育て支援金は、賞与からも集められます。
協会けんぽの場合、支援金率は0.23%で、会社と本人で半分ずつ負担します。
育休中で健康保険料と厚生年金保険料が免除になるときは、子ども・子育て支援金も免除になります。
産休中の賞与は1か月の条件なしで免除
産休(産前産後休業)中に払う賞与も、健康保険料と厚生年金保険料が免除になります。
産休の保険料も月ごとに決まり、月末に産休中の月が免除になります。
育休のような「1か月を超える」という条件はなく、月の途中から産休に入っても、その月から免除になります。
反対に、産休に入る前の月に払った賞与は、免除になりません。
産休の免除は、育休とは別の「産前産後休業取得者申出書」を会社が出して受けます。
産休に入ってすぐに賞与を払うときは、賞与を計算する前に、給与ソフトに産休の設定が入っているか確認しておくと安心です。
私は夏のボーナスが6月30日に出て、7月10日から産休に入りました。6月に払われたボーナスなので、社会保険料はいつもどおり引かれていました。
育休中でも賞与の社会保険料が免除されない2ケース
育休中の賞与でも、健康保険料と厚生年金保険料が免除されないケースが2つあります。
①1か月以内の短い育休
育休が1か月以内と短いときは、賞与の保険料は免除されません。
賞与の保険料が免除になるのは、賞与を払った月の末日を含んで、連続して1か月を超える育休を取っている場合だけです。
令和4年(2022年)10月から、この条件に変わりました。
1か月を超えるかどうかは、土日も含めた暦日で数えます。
毎月の給与の保険料は、同じ月の中で14日以上育休を取れば免除になります。
でも、この14日以上のルールは賞与の保険料には使えません。
たとえば男性社員が12月に2週間だけ育休を取っても、12月に払う賞与の保険料は免除にならないので注意が必要です。
②月末までに育休が終わる
賞与を払った月の月末までに育休が終わっているときも、賞与の保険料は免除されません。
賞与の保険料が免除になるかは、賞与を払った月の月末に育休中かどうかで決まります。
保険料の免除は月ごとに決まり、月末に育休中の月だけが免除になるからです。
たとえば、育休が11月1日〜12月20日で、賞与を12月10日に払うケースを考えてみます。
育休は1か月を超えていますが、12月20日に育休が終わるので、12月31日(月末)にはもう育休中ではありません。
そのため、12月10日に払う賞与の保険料は免除になりません。
反対に、12月いっぱい育休中の社員なら、12月に払う賞与の保険料は免除になります。
私も12月は丸ごと育休中だったので、免除の条件にそのまま当てはまっていました。
育休中の賞与にも雇用保険料はかかる
雇用保険料には、育休中に免除になる仕組みがありません。
雇用保険に入っている社員なら、育休中でも賞与を払えば、その賞与に雇用保険料がかかります。
本人が負担する雇用保険料の割合は、令和8年度(2026年4月〜2027年3月)は一般の事業で1000分の5です。
農林水産・清酒製造の事業と建設の事業は、1000分の6です。
たとえば賞与が30万円なら、本人の雇用保険料は1,500円です。
私の明細でも、雇用保険料だけはしっかり引かれていました。「育休中は全部ゼロ」と思い込んでいると、ここで計算がずれてしまいます。
育休中の賞与の所得税は計算方法が変わる
賞与の所得税は、ふだんは前の月の給与の額をもとに税率を決めます。
でも育休中の社員は、前の月に給与が出ていないことがほとんどです。
前の月に給与の支払いがないときは、賞与の所得税を次の順番で計算します。
- 賞与から社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料など)を引いた金額を6で割る
- 6で割った金額を月額表(甲欄)に当てはめて税額を出す
- 出た税額を6倍する
育休で健康保険料と厚生年金保険料が免除になる社員なら、賞与から引く社会保険料は雇用保険料だけです。
たとえば、一般の事業の会社で、扶養親族が0人の社員に育休中の賞与を払うケースで計算してみます。
①賞与が30万円のとき
30万円 − 雇用保険料1,500円 = 298,500円
298,500円 ÷ 6 = 49,750円
月額表では105,000円未満なので0円
0円 × 6 = 所得税は0円
②賞与が90万円のとき
90万円 − 雇用保険料4,500円 = 895,500円
895,500円 ÷ 6 = 149,250円
月額表の「149,000円以上151,000円未満」の行で2,420円
2,420円 × 6 = 所得税は14,520円
賞与の計算期間が6か月を超えるときは、6ではなく12で割って12倍します。
令和8年分の月額表(甲欄)では、扶養親族が0人なら105,000円未満の税額は0円です。
つまり扶養親族が0人の社員なら、社会保険料などを引いた賞与が63万円未満のとき、賞与の所得税は0円になります。
ただし、63万円未満で0円になるのは、前の月に給与がなく、扶養親族が0人で、甲欄で計算する社員の場合の目安です。
扶養親族の数などで税額は変わるので、実際の金額は税額表や給与計算ソフトで確かめてください。
私の明細も所得税は0円でした。前の月にお給料が出ていなかったので、この計算で0円になったんだと思います。
給与ソフトで計算している会社も、育休中の社員の前の月の給与が0円として扱われているか、一度確認しておくと安心です。
免除でも賞与支払届は出す
保険料が免除になる賞与でも、被保険者賞与支払届は出します。
免除になる賞与も「標準賞与額」として決まり、年金の計算のもとになる記録として残るからです。
賞与支払届の提出期限は、賞与を払った日から5日以内です。
賞与支払届には、免除になる賞与も0円にせず、実際に払った金額を書きます。
私の会社は、社会保険の手続きを顧問の社労士さんにお願いしています。
社労士さんに手続きをお願いしている会社は、育休中の社員にも賞与を出すことを、支給額と一緒に伝えておくと確実です。
育休中でも賞与が出る理由は査定期間
育休中でも、賞与の査定の期間に働いていれば、賞与は出ることがあります。
私の会社では、夏のボーナスは前の年の10月〜3月の分で査定されます。
私の場合、産休に入る前に働いていた分で、ボーナスが2回出ました。
- 2025年の夏のボーナス:2024年10月〜2025年3月の分で査定されて、産休に入る直前の6月30日に支給
- 2025年12月のボーナス:2025年4〜6月の分で査定されて、育休中に支給
反対に、2026年の夏のボーナスは出ていません。
2026年の夏のボーナスの査定の期間(2025年10月〜2026年3月)は、ずっと産休・育休で休んでいたからです。
育休中の社員に賞与を出すかどうかや計算のしかたは、会社の賃金規程などで決まります。
休んだ期間の分を日割りなどで差し引くことは、問題ありません。
ただし、休んだ期間を超えて働かなかったものとして賞与を減らすことは、育児・介護休業法の指針で不利益な取扱いとされています。
育休中の社員の賞与は計算ミスに注意
実は、私の12月のボーナスは、最初は金額が間違っていました。
私は育休中も、会議で決まった資料を会社の携帯で共有してもらっていました。
賞与が何か月分になったかも分かっていたので、自分で計算してみたんです。
すると、アプリの明細の金額が、計算の半分くらいしかありませんでした。
「もしやマイナスの評価が入っていますか?」と上司に聞いたところ、計算の間違いだったことが分かりました。
私の会社は、アプリの明細が先に届いて、そのあとに入金される流れです。
明細を見てすぐに聞いたので、入金の前にぎりぎり修正が間に合いました。
育休中は会社の様子が見えないので、明細の金額が少ないと「評価が下がったのかな」と考えてしまいます。思い切って聞いてよかったです。
育休中の社員の賞与は、保険料の免除や前の月の給与がないことなど、ふだんと違う点が重なります。
支給額が決まったら、支給の前に本人へ一言伝えておくと、もし間違いがあっても早く気づけます。
育休中の社員に賞与を出すときのチェックリスト
育休中の社員に賞与を出すときは、次の順番で確認すると漏れがありません。
育休中の賞与はまず育休の期間を確認しよう
育休中の社員の賞与は、まず育休の期間を確認するところから始まります。
育休が1か月を超えていて、賞与月の月末にもまだ育休中なら、健康保険料と厚生年金保険料は免除です。
雇用保険料はかかり、所得税は前の月の給与がないときの計算になります。
そして、免除になる賞与でも賞与支払届は出します。
給与計算ソフトを使っている会社なら、育休の設定をしておけば社会保険料の計算はソフトに任せられます。
私は会社の給与ソフトで明細を受け取る側でしたが、弥生給与 Nextなら、休職の設定で「産前産後・育児休業」にチェックを入れておくと、社会保険料が0円で計算されます。
育休が1か月を超えるか、賞与月の月末にまだ育休中かの確認だけは、総務人事の目でしておきましょう。
育休中の社員は、会社からの連絡が少ないぶん、明細の金額ひとつで不安になりやすいです。
支給の前にひと声かけておくだけで、社員の安心にもつながります。
ぜひ、参考にしてみてください!

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