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登記簿を見ていたら、取締役の任期がとっくに切れていました…。登記が2週間以内なのは知っていたんですが、過ぎたときに実際どうなるのかまでは調べたことがなくて。過料っていくらくらい来るものなんでしょうか。
役員変更の登記は、うちの会社では私が自分でやっています。
もともとは司法書士事務所にお願いしていたのですが、役員変更だけで見積もりが約7万円でした。
うちは社外取締役と監査役のどちらかが毎年入れ替わる可能性があるので、これが毎年かかると思うと、さすがに自分でやるしかないなと。
おかげで費用は登録免許税の1万円だけで済むようになりました。
そのかわり、毎年ひやっとするのが期限です。
登記には「変更から2週間以内」という決まりがあって、遅れると過料というものがあるらしい、というところまでは知っていました。
ただ、いくらなのか、誰が払うのか、いつ通知が来るのかは、正直まったく分かっていませんでした。
気になって法務省と裁判所まわりの資料をひととおり調べたので、この記事にまとめておきます。
- 役員の任期が切れたまま登記していなかったことに、今日気づいた方
- 裁判所から過料決定の通知書が届いて、どうしたらいいか分からない方
- 過料がいくらで、会社と代表者のどちらが払うのかを知りたい方
- 中小企業でひとり総務をしていて、役員の任期管理を任されている方
役員変更の登記を忘れたときの過料はいくら?先に結論
調べた結果を、先に3つだけまとめておきます。
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 過料はいくら? | 法律上は100万円以下(会社法976条1号)。ただし満額になることはまずなく、実務では数万円から10万円程度と言われています |
| 誰が払う? | 会社ではなく代表取締役などの個人。会社の経費(損金)にもできません |
| 今どうすればいい? | 気づいた時点で、できるだけ早く登記を出す。登記の義務は、出すまでなくなりません |
「過料」と聞くと前科がつく罰金のように感じますが、これは刑罰ではなく行政上のペナルティです。
前科にはならないので、そこは切り分けて考えて構いません。
役員変更の登記の期限は2週間!過ぎたらどうなるのか
①登記の期限は変更から2週間以内
会社法915条1項に、登記事項に変更があったときは2週間以内に変更の登記をしなければならない、と書かれています。
役員変更の場合、この2週間は「株主総会で選任した日」ではなく「就任した日」から数えるのが基本です。
定時株主総会で任期満了と同時に再任される「重任」なら、総会の日を基準に数えます。
厳密にいうと、期間の数え方は初日を入れないので、就任した日の翌日から2週間です(民法140条)。
ただ、1日の差でひやひやするより、就任した日から2週間と思って動くほうが安全です。
私の会社も役員は定時株主総会で就任するので、毎年ここからの2週間が勝負になります。
総会が終わったら、議事録の作成と登記の準備を並行して一気に進めています。
議事録ができないと登記が出せないので、総会の前に議事録の下書きを作っておくと、あとがかなり楽です。
②期限を過ぎたときの過料は100万円以下
期限を過ぎた状態のことを、実務では「登記懈怠(とうきけたい)」と呼びます。
読みにくい漢字ですが、意味は「登記を期限までに出していない」というだけです。
法務局や司法書士さんとのやりとりで出てくる言葉なので、名前だけ知っておけば十分です。
会社法976条1号は、取締役などが「この法律の規定による登記をすることを怠ったとき」は100万円以下の過料に処する、と定めています。
条文に並んでいるのは発起人・取締役・監査役・清算人といった人であって、「会社」ではありません。
ここが、あとで効いてくるポイントです。
③任期切れを放置すると役員を選ぶ手続きも抜ける
任期切れの怖いところは、「登記を忘れた」だけで終わらない場合があることです。
任期満了で退任したのに後任を選んでいないと、法律や定款で決めた役員の人数を欠いた状態になります。
この「選任の手続を怠ったとき」も、会社法976条22号で過料の対象になっています。
つまり、株主総会で選ぶ手続きもしていなかった場合は、「選ばなかったこと」と「登記しなかったこと」の2つが重なります。
逆に言うと、総会で選任だけはしていて登記が漏れていた、というケースのほうがまだ軽く済みます。
役員の任期は何年?登記を忘れる典型パターン
そもそも任期が何年なのかが分かっていないと、切れたことにも気づけません。
会社法が定めている原則はこうなっています。
| 役職 | 原則の任期 | 定款で伸ばせるか |
|---|---|---|
| 取締役 | 選任後2年以内に終わる事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで | 公開会社でない会社なら定款で10年まで伸長できる |
| 監査役 | 選任後4年以内に終わる事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで | 公開会社でない会社なら定款で10年まで伸長できる |
| 監査等委員以外の取締役(監査等委員会設置会社) | 選任後1年 | 伸長できない |
| 監査等委員である取締役 | 選任後2年(短縮もできない) | 伸長できない |
「2年」ではなく「2年以内に終わる事業年度の定時株主総会の終結の時まで」という書き方なので、実際には2年きっかりではありません。
自社の任期が何年なのかは、定款を見ないと分かりません。
①任期を10年にしている会社ほど忘れやすい
株式に譲渡制限がついている中小企業では、手間を減らすために定款で任期を10年にしている会社がかなりあります。
10年に1回しか来ない作業は、まず引き継がれません。
前任の総務担当者から「10年後に役員の登記があります」と申し送りを受けた、という話はあまり聞かない気がします。
結果として、10年目の定時株主総会が普通に終わって、誰も何も気づかないまま数年が過ぎる、という流れになりがちです。
②メンバーが変わらないと重任登記を忘れる
もうひとつ多いのが、役員の顔ぶれがまったく変わらないケースです。
同じ人が続けていても、任期が満了して再任されたのなら「重任」の登記が必要になります。
ところが人が入れ替わっていないので、登記が必要という発想自体が出てきません。
「役員が変わっていないから登記もいらない」というのは、いちばんはまりやすい思い込みだと思います。
うちは社外取締役と監査役のどちらかが毎年入れ替わる可能性があって、しかも登記は私が自分でやっています。だから「今年って任期満了だっけ?」が毎年こわいんです…。登録免許税1万円をケチったつもりが過料でそれ以上かかる、なんて笑えないので。
役員変更の登記を忘れたと気づいたときに今すぐやること
気づいた日から通知が来るまでに、やっておけることがあります。
順番に並べます。
| タイミング | やること |
|---|---|
| 気づいたその日 | 登記事項証明書(登記簿)と定款を出して、就任年月日と任期の年数を確認する |
| 1〜2日以内 | 任期がいつ満了していたかを特定する |
| 1〜2日以内 | その時期に株主総会で選任の決議をしていたか、議事録をさかのぼって確認する |
| できるだけ早く | 必要書類をそろえて法務局に登記を申請する |
| 申請したあと | 過料の通知が代表者宛てに届く可能性があることを、代表者に先に伝えておく |
①選任をしていたかどうかで必要書類が変わる
いちばん確認したいのが、3つ目の「選任の決議をしていたか」です。
総会で選任の決議はしていて、登記だけが漏れていたのなら、当時の議事録を使って今から登記を出せます。
一方、決議そのものをしていなかった場合は、あらためて株主総会を開いて選任し直すところからになります。
過去の日付で議事録を作り直すようなことはできないので、ここは正直にさかのぼって確認するしかありません。
②登記が遅れているほど早く出したほうがいい理由
過料の金額には公的な基準表がありません。
ただ、期限からどれだけ経っているかが金額に影響すると言われているので、放置している期間が短いほうが有利には働きます。
登記を出さない限り期限を過ぎたままの状態が続くので、待っていて自然に解決することはありません。
役員変更の登記そのものの手順と費用は、こちらの記事にまとめています。

ただ、遅れていることに気づいた状態で、法務局のひな形を一から読み込んで書類を作るのは、正直しんどいと思います。
とにかく早く出したいときは、必要な情報を入力するだけで書類をそろえてくれるサービスを使う手もあります。
登記を自分でやるとき、いちばん時間を取られるのが書類作りです。
これまでは「司法書士に高いお金を払う」か「全部自分で調べてやる」かの二択でしたが、書類作りだけ任せるという選び方もあります。
GVA 法人登記は、必要な情報を入力するだけで登記の申請書類ができあがるオンラインサービスです。
- 最短7分で自動作成:入力するだけで申請書類ができる
- 5,000円(税別)から:専門家に依頼するよりかなり安い
- 司法書士監修:内容の正確さも押さえられている
- 登記情報を自動で反映:入力ミスが減って作成時間も短くなる
※料金やサービス内容は変わることがあるので、最新の情報は公式サイトで確認してください。
なお、任期切れが何年も前で、その間に別の役員の異動も挟んでいるようなケースは、登記の中身が複雑になります。
そういうときは司法書士に相談したほうが結局早いです。
登記の過料はいくら?誰が払うのかを確認しておく
金額の話に戻ります。
過料まわりの基本を一覧にするとこうなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 根拠 | 会社法976条1号(登記をすることを怠ったとき) |
| 法律上の上限 | 100万円以下 |
| 実際の金額 | 裁判所が決める。数万円から10万円程度が中心と言われている |
| 金額を左右する要素 | 遅れた期間の長さ・過去にも遅れたことがあるか・会社の規模などと言われている |
| 払う人 | 会社ではなく代表取締役などの個人 |
| 会社の経費 | 過料は損金に算入できない(法人税法55条5項1号) |
| 前科になるか | ならない(刑罰ではなく行政上のペナルティ) |
「実際の金額」の行だけ、書き方をぼかしています。
これは、何日遅れたら何円という基準を公的な資料が公開していないからです。
数年放置していても過料が来なかった会社もあれば、1年未満で来た会社もあるようなので、ここは断定できません。
①過料を払うのは会社ではなく代表者個人
会社法976条が名指ししているのは取締役などの個人です。
そのため過料決定の通知書も、会社宛てではなく代表者個人の住所に届きます。
会社の顧問先や取引先に知られるようなものではありませんが、社長の自宅に裁判所名義の封筒が届くので、事前に一言入れておかないと確実に驚かれます。
登記を忘れたのは総務のミスなのに、社長に自腹で払ってもらうことになるんですか…?それを言いに行くのが、いちばんつらいです。
②会社が肩代わりしても経費にはできない
実際には会社が負担するケースもあると思います。
ただ、法人税法55条5項1号で、過料は損金に算入しないと決められています。
会社の口座から払ったとしても、税金の計算上は経費として引けません。
もともと個人に科されたものを会社が払う形になるので、処理の仕方は顧問税理士に確認しておくのが安全です。
過料決定の通知書が届いたときの対応と異議申立て
封筒が届いてしまったあとの話です。
①通知書は地方裁判所から届く
そもそも、なぜ裁判所が登記の遅れを知っているのかというと、法務局から連絡が行くからです。
商業登記規則118条に、登記官は過料に処せられるべき者があることを職務上知ったときは、遅滞なく管轄の地方裁判所に通知しなければならない、と書かれています。
つまり、遅れた登記を出したこと自体が、裁判所に伝わるきっかけになります。
過料事件を扱うのは、対象になる人の住所地を管轄する地方裁判所です(非訟事件手続法119条)。
通知が届く時期はまちまちで、登記の数か月後のこともあれば、1年以上あとのこともあると言われています。
②届いたらまず期限を2つ確認する
封を開けたら、金額よりも先に見るところが2つあります。
①納付の期限(いつまでに払うか)
②不服を申し立てる場合の期限(異議の申立てや即時抗告の期限)
不服申立ての期限は、納付期限よりずっと短いことがあります。
先に金額を見て固まっているうちに期限が過ぎた、という事態だけは避けたいところです。
③異議の申立ては告知を受けた日から1週間
過料の裁判は、本来なら本人の言い分(陳述)を聴いたうえで出すことになっています(非訟事件手続法120条2項)。
ただ、裁判所が相当と認めるときは、陳述を聴かずに決定を出すことができます(同法122条1項)。
登記が遅れたときの過料は、この「略式手続」で来ることが多いと言われています。
心当たりがあるのに突然決定が届くのは、そういう仕組みだからです。
この略式の決定に納得できないときは、告知を受けた日から1週間の不変期間内に、その裁判をした裁判所に異議の申立てができます(同法122条2項)。
適法な異議の申立てがあると、その決定はいったん効力を失い、裁判所は本人の陳述を聴いたうえであらためて過料の裁判をします(同条4項から6項)。
陳述を聴いたうえで出された過料の裁判に対しては、即時抗告という手続があり、こちらは告知を受けた日から2週間です(同法120条3項・67条)。
④異議を出せば安くなるとは限らない
気をつけたいのは、異議を申し立てれば金額が下がる、という制度ではないことです。
やり直しの裁判で同じ結論になれば、裁判所はもとの決定を認可します(非訟事件手続法122条5項)。
「登記が遅れたのは事実だけれど、こういう事情があった」という説明ができる材料が手元にあるかどうかで判断が変わります。
金額が大きい、または遅れた理由に本当にやむを得ない事情があるという場合は、期限が短いので早めに司法書士か弁護士に相談したほうがいいと思います。
私は登記を5回以上自分で出していますが、5回目でも書類に不備があって法務局から電話が来ました。慣れても抜けるものは抜けます。だからこそ、期限だけは自分の記憶ではなくカレンダーに預けたほうがいいなと思っています。
12年放置するとみなし解散になる
登記を忘れたときのペナルティは、過料だけではありません。
会社法472条に「休眠会社のみなし解散」という制度があります。
①最後の登記から12年が対象になる
ここでいう休眠会社とは、その会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過した株式会社のことです。
実際に事業をやっているかどうかは関係ありません。
登記が12年動いていない、という一点だけで対象になります。
取締役の任期を10年にしている会社なら、重任登記を2回続けて飛ばすだけで届いてしまう年数です。
②毎年10月ごろに公告されて12月に解散扱いになる
法務省は毎年、休眠会社の整理作業をしています。
流れはこうです。
| ステップ | 内容 | 令和7年度の実績 |
|---|---|---|
| 官報で公告 | 法務大臣が「2か月以内に届出をするように」と公告する | 令和7年10月10日 |
| 登記所から通知 | 対象の会社の本店所在地宛てに通知が発送される | 公告と同日ごろ |
| 届出または登記の期限 | 「まだ事業を廃止していない」旨の届出か、必要な登記を出す | 令和7年12月10日 |
| みなし解散 | 何もしなければ解散したものとみなされ、職権で解散の登記がされる | 令和7年12月11日 |
大事なのは、登記所からの通知が本店の所在地に送られるという点です。
本店移転をしたのに登記を直していないと、この通知が届きません。
気づかないうちに解散扱いになっている、という最悪のパターンがここです。
本店移転の登記についてはこちらにまとめています。

③みなし解散になっても3年以内なら継続できる
解散したとみなされても、そこで終わりではありません。
会社法473条により、解散したものとみなされた後3年以内に限り、株主総会の決議で会社を継続できます。
継続の決議をしたら、そこから2週間以内に継続の登記を申請します。
ただ、費用も手間もそれなりにかかります。
継続の登記の登録免許税が3万円で、それに加えて役員の登記もあらためて必要になるので、登録免許税だけで数万円という規模になります(会社の状況によって変わります)。
役員変更の登記を出しておけば1万円で済んだところが、放置した結果ここまで膨らむ、という話です。
役員の任期切れと登記忘れを防ぐ管理方法
ここから先は、新しい仕組みを作る話ではありません。
もう手元にある書類を1回だけ見て、カレンダーに1行入れるだけです。
①定款で任期が何年かを確認する
最初にやるのは定款の確認です。
「取締役の任期」「監査役の任期」という条文を探して、何年になっているかをメモします。
ここが2年なのか10年なのかで、管理の仕方がまったく変わります。
私の会社は、取締役が2年、監査役が4年です。
会社法の原則どおりの年数なので、取締役は2年ごとに必ず改選が回ってきます。
②登記事項証明書で就任年月日を拾う
次に登記事項証明書を取って、役員それぞれの就任年月日を書き出します。
登記事項証明書はオンラインでも請求できるので、法務局に行かなくても取れます。
就任年月日と任期の年数がそろえば、次に任期が満了する定時株主総会がどの年かは計算できます。
③満了する定時株主総会は決算月から逆算する
「選任後2年以内に終わる事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時まで」という言い方が、とにかく分かりにくいところです。
うちでは、決算月から逆算して考えるようにしています。
①3月決算の会社で、2024年6月の定時株主総会で就任した取締役の場合
②選任後2年以内に終わる事業年度は「2026年3月期」
③その事業年度についての定時株主総会は「2026年6月」
④この総会の終結の時に任期満了。ここで重任の登記が必要になる
監査役は4年なので、同じ数え方でいくと2028年6月の総会が満了になります。
この計算さえできてしまえば、何年も先の予定を今のうちに押さえられます。
④役員の任期をエクセル1枚で管理する
私は役員の任期を、エクセル1枚にまとめています。
列はこれだけで足ります。
| 列 | 入れる内容の例 |
|---|---|
| 役員名 | 山田太郎 |
| 役職 | 取締役 |
| 就任(重任)年月日 | 2024年6月25日 |
| 任期 | 2年 |
| 満了する定時株主総会 | 2026年6月 |
| 登記の期限 | 総会の日から2週間 |
| 登記済みかどうか | 済/未 |
作ったファイルは、取締役会の資料を入れているフォルダに一緒に置いています。
別の場所に置くと、総会の準備をするときに開かないからです。
特別なものではありませんが、これがないと「今年は誰が満了だったか」を毎回登記事項証明書から数え直すことになります。
顧問社労士とは契約していますが、登記は社労士の仕事ではないので、この表を作る人は社内にしかいません。
⑤満了する年の定時株主総会をカレンダーに入れる
計算した年の定時株主総会の時期に、「役員の任期満了。重任の登記あり」と予定を入れておきます。
10年後の予定でも、カレンダーなら入れられます。
紙のファイルに挟んだメモは引き継ぎで消えますが、会社の共有カレンダーに入れておけば、担当が変わっても残ります。
私はエクセルで一覧を作って、取締役会の資料を入れているフォルダに一緒に置いています。
顧問社労士とは契約していますが、登記は社労士の仕事ではないので、任期が近づいても誰かが教えてくれるわけではありません。
気づける人が社内にいないという前提で仕組みを作っておかないと、いつか抜けます。
⑥定時株主総会の準備リストに1行足す
毎年の定時株主総会の準備リストに、「今年は役員の任期満了の年か」という確認項目を1行足しておきます。
毎年見る資料に混ぜてしまえば、忘れようがありません。
追加の作業はこの1行だけです。
登記そのものを毎回ゼロから調べ直すのがしんどいという場合は、書類作成を自動化してしまうのも手だと思います。
まとめ
役員変更の登記を忘れたときの話を、もう一度整理します。
①登記の期限は変更から2週間(会社法915条1項)。遅れると100万円以下の過料の対象になる(会社法976条1号)。
②実際の金額は裁判所が決める。数万円から10万円程度が中心と言われているが、公的な基準表はない。
③払うのは会社ではなく代表者などの個人。会社が負担しても損金にはできない(法人税法55条5項1号)。
④過料決定の通知書は地方裁判所から届く。陳述を聴かずに出された決定には、告知を受けた日から1週間以内に異議を申し立てられる(非訟事件手続法122条2項)。
⑤最後の登記から12年で、みなし解散の対象になる(会社法472条)。解散扱いになっても3年以内なら継続できるが、費用は跳ね上がる。
⑥気づいた時点でできるだけ早く登記を出すのが、いちばんの対処。
任期切れに気づいた日は、たぶん一日中そのことが頭から離れないと思います。
ただ、過料は前科でもありませんし、会社がつぶれる話でもありません。
登記の期限って、社内の誰も教えてくれないんですよね。私も自分で調べて初めて2週間だと知りました。ひとり総務だと、こういう「知らないと詰む期限」を自力で拾うしかないのがしんどいところです。
登記事項証明書と定款を出して、任期がいつ切れていたかを確認するところから始めれば十分です。
そして、次の任期満了だけはカレンダーに入れておく。
やることはそれくらいだと思っています。
登記は、出した時点で遅れが止まります。
今日気づけたなら、それがいちばん早いタイミングです。
ぜひ、参考にしてみてください!

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