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社用車のアルコールチェックの担当になったんですが、法律の中身までは追えていなくて…。うちはハイエースがあるので「11人以上は1台で義務」に当たるのか気になりますし、そもそも車を出すたびに毎回やるものなのかも分かっていません。
社用車のアルコールチェックは、うちの会社でも毎日やっています。
安全運転管理者は総務部の上司で、私は実際に運用を回す側です。
担当になったときにいちばん困ったのが、調べても書いてあることがサイトごとに違うことでした。
「毎回チェックが必要」と書いてあるところもあれば、「サボると50万円の罰金」と書いてあるところもあります。
気になって警察庁の資料と条文を一通り読んでみたら、どちらも正確ではありませんでした。
この記事では、社用車のアルコールチェックが義務になる会社の条件から、いつ誰が何を記録するのかまでを、警察庁のQ&Aと道路交通法の条文を確認しながらまとめています。
あわせて、うちの会社で実際にどう回しているのかも書きました。
社員の反発をどう抑えたか、書き忘れをどうやって見つけているか、そしてまだできていないことは何か。
制度そのものを理解するより、続けるほうがずっと大変だったので、そこはできるだけ具体的に書いています。
- 社用車のアルコールチェックが自分の会社も義務なのか知りたい方
- 何台から義務になるのか、車の数え方が分からない方
- 記録に決まった様式があるのか調べている方
- 中小企業でひとり総務をしていて、安全運転管理者の補助を任されている方
社用車のアルコールチェックは義務?先に結論
先に、よく聞かれるところだけまとめておきます。
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| うちも義務? | 業務で使う自動車が5台以上(乗車定員11人以上の車なら1台)ある事業所は義務 |
| いつやる? | 運転のたびに毎回ではなく、業務の開始前や出勤時と、終了後や退勤時で足りる |
| 誰がやる? | 安全運転管理者。不在などのときはあらかじめ指定した補助者でもよい |
| 記録の様式は? | 決まった様式はない。8つの項目が入っていれば紙でもエクセルでもよい(1年保存) |
| 怠ったら罰金? | チェックや記録を怠ったこと自体を直接罰する規定はない。ただし安全運転管理者の解任を命じられることがある |
アルコール検知器を使った確認が義務になったのは、令和5年(2023年)12月1日からです。
その前の令和4年(2022年)4月1日から、目視などによる確認と記録の保存はすでに義務になっていました。
アルコールチェックの義務は何台から?対象になる会社の数え方
この制度は、正確には「アルコールチェックの義務」という独立した制度ではありません。
一定の台数以上の自動車を使う事業所に安全運転管理者を選ぶ義務があって、その安全運転管理者の仕事のひとつがアルコールチェックだ、という組み立てになっています。
なので、まず自分の会社が安全運転管理者を選ぶ義務のある会社かどうかを確認するところからです。
①乗車定員11人以上は1台から それ以外は5台から
台数の基準は、道路交通法施行規則の第9条の8に書かれています。
乗車定員が十一人以上の自動車にあつては一台、その他の自動車にあつては五台とする。
ここでつまずきやすいのが、乗車定員11人以上のほうです。
うちの会社にもハイエースがあるので、担当になったときに真っ先に確認しました。
結果からいうと、うちのハイエースは10人乗りなので、この「1台で義務」には当たりませんでした。
11人以上かどうかなので、10人乗りは普通に「その他の自動車」として、5台のうちの1台に数えます。
ハイエースは車種によって定員が違うので、車検証を見ないと分かりません。うちも「ワゴンだから11人以上かも」と思って開いてみたら10人でした。
②軽自動車も1台に数えるがバイクは0.5台
数える対象になるのは、業務で使う道路交通法上の「自動車」です。
大型・中型・準中型・普通(軽自動車とミニカーを含む)・大型特殊・大型自動二輪・普通自動二輪・小型特殊が入ります。
軽自動車も、営業車として普通に1台と数えます。
一方でバイクは、大型自動二輪も普通自動二輪も1台を0.5台として計算します。
50cc以下の原付や特定小型原付、自転車は、そもそも数える対象から外れます。
③リース車も社用車として数える
会社が借りているリース車も、業務目的で運転するなら対象です。
所有しているかどうかではなく、業務で使っているかどうかで見ます。
うちの会社も、社用車は1台をのぞいて全部リースです。
なので台数を数えたときも、ほとんどがリース車でした。
自社で買った車だけを数えると対象なのに気づかないままになるので、車両の一覧を見るときはリース車も一緒に並べておくのがおすすめです。
④マイカー通勤だけなら対象外になる
ここは車通勤の多い会社だと必ず迷うところだと思います。
自宅から会社までの通勤だけが目的なら、アルコールチェックは必要ありません。
ただし、同じマイカーでも業務で運転させるなら話が変わります。
千葉県警のQ&Aでは、「勤務時間中は社用車として扱う」といった取り決めがあったり、仕事中の私有車の運行を会社が管理していたりする場合は、安全運転管理者が管理すべき車両に当たると案内されています。
ちなみに同じマイカー通勤でも、通勤手当が非課税になる金額のほうは別のルールで決まっています。
距離によって上限が変わるうえに改正もあったので、社員から聞かれたときに慌てないよう一度見ておくといいと思います。

⑤対象になったら15日以内に届出をする
安全運転管理者を選んだら、選任した日から15日以内に公安委員会へ届け出ます。
交代させたときも、前任者の解任と後任者の選任の両方を届け出ます。
大阪府の場合は、事業所を管轄する警察署を選んでe-Gov電子申請から出すこともできます。
アルコールチェックは運転前後に毎回やらなくていい
条文には「運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者」と書かれています。
これを読んで、車を出すたびに毎回チェックしなければいけないと思っている方は多いはずです。
私も最初はそう読みました。
でも警察庁のQ&Aには、はっきりこう書かれています。
酒気帯び確認は、必ずしも個々の運転の直前又は直後にその都度行わなければならないものではなく、運転を含む業務の開始前や出勤時及び終了後や退勤時に行うことで足ります。
ここでいう「運転」は、一連の業務としての運転を指しています。
つまり、朝に出て昼に戻って午後にまた出るという1日でも、朝の出勤時と夕方の退勤時の2回で足りるということです。
アルコールチェックのやり方は目視等と検知器の2つ
安全運転管理者がやることは、条文では2つに分かれています。
運転者の状態を目視等で確認することと、アルコール検知器を使って確認することです。
どちらか片方ではなく、両方です。
①確認の方法は対面が原則
顔色や声の調子を見るので、対面が原則です。
目の前で検知器を吹いてもらって、その場で数値を見る形が基本になります。
②直行直帰で対面できないときの方法
直行直帰や出張で対面が難しいときは、これに準ずる方法で構いません。
警察庁のQ&Aでは、運転者に携帯型の検知器を持たせたうえで、次の2つの方法があげられています。
①カメラやモニターで、顔色や応答の声の調子とあわせて、検知器の測定結果を確認する方法
②携帯電話など直接対話できる方法で声の調子を確認し、検知器の測定結果を報告させる方法
どちらも共通しているのは、声を聞いて数値も確認するという点です。
メールで数値だけ送らせる形は、声の調子を確認できないので、これに準ずる方法としては弱いことになります。
アルコールチェックの記録に決まった様式はない
記録の様式を探して、そのまま使えるひな形が見つからずに困っている方も多いと思います。
見つからないのは当然で、法令で決められた様式がないからです。
①記録する8つの項目
記録する中身は警察庁のQ&Aで示されていて、次の8つです。
| 項目 | 書き方のめやす |
|---|---|
| ①確認者名 | 安全運転管理者または補助者の名前 |
| ②運転者の氏名 | — |
| ③車両の登録番号または識別できる記号・番号 | ナンバーの下4桁や「営業1号車」でもよい |
| ④確認の日時 | 運転前と運転後の2回分 |
| ⑤確認の方法 | 対面かどうか。対面でない場合は具体的な方法も |
| ⑥運転者の酒気帯びの有無 | 有・無。検知器の数値も残しておくと安心 |
| ⑦指示事項 | 酒気帯びが「有」のときに出した指示 |
| ⑧その他必要な事項 | 備考欄 |
この記録は1年間保存します。
②エクセルで管理してもいい
千葉県警のQ&Aには、様式について「特に定められていませんので、8つの項目が含まれていれば、各事業所の実情に応じた適宜のもので構いません」と書かれています。
パソコンでのデータ管理についても、記録を表示したり出力したりできるなら構わない、とされています。
新しく専用のシステムを入れなくても、上の8項目を並べたエクセルを1枚作れば足ります。
アルコールチェックを怠った罰則は50万円?
「アルコールチェックをしないと50万円の罰金」と書かれているのをよく見かけます。
ただ、条文を追っていくと、これは少し違います。
| やらなかったこと | 罰則 |
|---|---|
| アルコールチェックや記録を怠った | 直接罰する規定はない。ただし公安委員会から安全運転管理者の解任を命じられることがある |
| 安全運転管理者を選任していない | 50万円以下の罰金(道路交通法 第119条の2) |
| 選任・解任の届出をしなかった | 5万円以下の罰金(道路交通法 第120条第2項第3号) |
50万円がかかるのは、そもそも安全運転管理者を選んでいない場合です。
しかも道路交通法には両罰規定があって、この罰金は違反した本人だけでなく会社にも科されます。
チェックそのものに直罰がないからといって、やらなくていいという話でもありません。
千葉県警のQ&Aにも、業務をしていないことが判明して安全な運転管理が行われていないと認められるときは、公安委員会が使用者に対して安全運転管理者の解任を命じることがある、と書かれています。
社用車のアルコールチェックが続かない理由とうちの会社の対策
ここからは、うちの会社で実際にどう回しているかを書きます。
正直なところ、制度の中身を理解するより、続けるほうがずっと大変でした。
①「なんでこんなことせなアカンねん」から始まった
始めたばかりのころ、いちばん反発したのは管理職の社員でした。
「なんでこんなことせなアカンねん」と、はっきり言われたこともあります。
制度そのものに反対というより、「なんでも管理、管理と言って、やることを増やして」という気持ちだったのだと思います。
ここは総務がいくら正論で説明しても、たぶん動かなかったところです。
うちで効いたのは、責任者から管理職と社用車を運転する社員を集めて、直接説明してもらったことでした。
同じ内容でも、総務が言うのと責任者が言うのとでは受け取られ方がまったく違います。ここは自分で抱え込まずに、上に出てもらったほうが早いです。
②書き忘れは共有スケジュールとの突合で見つける
記録の書き忘れは、最初のころはやはりありました。
ここで役に立ったのが、もともと別の目的で作っていた社内ルールです。
うちでは社用車を使うとき、共有のスケジュールに登録しなければならないことになっています。
つまり、車が動いたという事実がスケジュール側にも残っているわけです。
そこで、抜き打ちで台帳と共有スケジュールを突き合わせて、合っていなければ責任者から指導してもらう形にしました。
①社用車を使うときは共有スケジュールに登録する
②アルコールチェックの台帳と共有スケジュールを抜き打ちで突き合わせる
③スケジュールにあるのに台帳にない運転が見つかったら、責任者から指導してもらう
専用のシステムを入れなくても、すでに社内にあるスケジュールで代わりになります。
抜き打ちにしているのも大事なところで、毎回すべてを照合していたら総務のほうがもちません。
③数値の不正はダブルチェックで防ぐ
うちでいちばん効いているのが、検知器に出た数値を本人だけで完結させないという決まりです。
測ったら、必ず別の社員に画面を見せて確認してもらってから記録します。
本人が吹いて本人が書くだけだと、どうしても形だけになりますし、何かあったときに「本当に測ったのか」を誰も説明できません。
手間はほとんど増えません。近くにいる人に画面を見せて「0.00です」と一言いうだけです。それだけで記録の重みがぜんぜん違ってきます。
最初のうちは、みんな面倒だという顔をしていました。
定着してからは、そういうものとして受け止めてもらえているように思います。
あわせてやったのが、他社で起きた社用車の事故や違反のケースを共有することでした。
他人事ではないと感じてもらうほうが、ルールを増やすより効きます。
④安全運転管理者がいない日は上の人か部署のメンバーが見る
安全運転管理者は社内で1人なので、休みや出張の日をどうするかは必ず出てくる問題です。
うちでは、さらにその上の上司か、部署内のメンバーが対応することになっています。
警察庁のQ&Aでは、安全運転管理者以外の人に確認をさせることが認められています。
ただし誰でもいいわけではなく、あらかじめ補助者にする人を指定して、指導・教育しておくことが必要です。
①酒気帯び確認の方法
②酒気を帯びていることを確認したときは、安全運転管理者へ速やかに報告して指示を受けること(または安全運転管理者が直接、運転中止などの指示を行えるようにしておくこと)
「その日たまたま近くにいた人に見てもらう」では条件を満たしません。
記録の確認者名の欄に書く名前が、その指定した人になります。
⑤1年分の紙はファイリングして所定の場所に置く
記録はまだ紙で、ファイリングして所定の場所に保管しています。
1年分をとっておくので、だんだん置き場所が厳しくなってきました。
パソコンでのデータ管理も認められているので、うちも次の見直しのタイミングでエクセルに移すつもりです。
うちの会社がまだできていないこと
ここまで書いておいて何ですが、うちも完璧にできているわけではありません。
いちばん手が回っていないのが、早朝や休日に急に車を出すことになったときです。
その場に確認できる人がいないので、ダブルチェックができません。
今は本人が責任を持ってやるようにして、帰社できるときは必ずダブルチェックするよう指導しています。
ただ、調べていて分かったのですが、この場面こそ電話で声を聞いて数値を報告してもらう方法が認められているところでした。
対面できないときの手段として警察庁のQ&Aに書かれているので、うちもここは改善の余地があると思っています。
この記事を書くために調べ直して、自分の会社の穴に気づきました。同じように早朝や休日が抜けている会社は、たぶん少なくないと思います。
アルコール検知器の選び方は3つを見れば足りる
検知器選びで迷う方が多いので、法令の側から整理しておきます。
①性能の条件は告示に1行だけ
使ってよい検知器の条件は、国家公安委員会の告示に書かれています。
呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する機器
条件はこれだけです。
商品説明でよく見る「アルコール検知器協議会の認定品」も、選ぶときの目安にはなりますが、法令で決められた条件ではありません。
②常時有効に保持できるかどうか
安全運転管理者には、検知器を「常時有効に保持する」義務もあります。
これは正常に作動して故障がない状態で持っておくという意味で、具体的には取扱説明書に従って使い、使用期限や使用回数を守り、定期的に故障の有無を確認することとされています。
センサーには寿命があるので、安いものを買って壊れたまま置いておくと、確認したことになりません。
買うときは、本体の値段よりも使用回数の上限とセンサー交換ができるかどうかを先に見たほうがいいです。
③会社で買うのが基本になる
警察庁のQ&Aでは、検知器は基本的に自動車の使用者、つまり会社が購入すべきものと考えられる、とされています。
個人で買ったものを使う場合は、安全運転管理者が定期的に作動確認をするなど、会社の検知器と同等の管理をしていることが条件になります。
社員に自腹で買わせて終わり、という運用はできないということです。
うちは楽天で買いました。まだ1代目ですが、使用回数の上限があるのは買ってから知ったので、次に買うときはそこを先に見るつもりです。
業務用として売られているものは、ストロー不要で数値が出るタイプが使いやすいです。
まとめ
社用車のアルコールチェックについて、押さえておきたいところをまとめます。
①業務で使う自動車が5台以上(乗車定員11人以上なら1台)ある事業所が対象
②乗車定員10人のハイエースは1台ルールに当たらず、5台のうちの1台として数える
③チェックは毎回ではなく、業務の開始前と終了後の2回で足りる
④目視等と検知器の両方で確認する。対面が原則だが、直行直帰なら電話などでもよい
⑤安全運転管理者が不在のときは、あらかじめ指定した補助者でもよい
⑥記録に決まった様式はない。8項目が入っていればエクセルでもよく、1年保存する
⑦チェックを怠ったこと自体に直罰はないが、選任していないと会社にも50万円以下の罰金
調べていていちばん驚いたのが、毎回やらなくていいという点でした。
ここを知らずに現場へ無理をさせてしまっている会社は、まだあると思います。
そして続けるほうの答えは、結局のところ専用のシステムではありませんでした。
うちの場合は、共有スケジュールとの突合と、数値を人に見せるという2つだけで回っています。
どちらもお金はかかりません。
車を使う会社の総務の仕事としては、こちらの記事もあわせてどうぞ。


ぜひ、参考にしてみてください!

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