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健康診断で「要再検査」の社員がいても、個人の体のことなので、総務からは強く言いにくいですよね。
結論から言うと、会社が社員に再検査を強制する義務はありませんが、労働安全衛生法に基づく国の指針で、会社は受診をすすめることが適当とされています。
私の会社では、健診結果と一緒に紙のお知らせを入れて、健診をした病院から「できれば行ってほしい」と言われた人には、担当者の私から口頭でも伝えています。
この記事では、再検査について会社がどこまで対応すればいいのかと、強く言わずにすすめる声かけの文例、再検査の費用や時間の扱いをまとめます。
健康診断そのものの段取りを先に確認したい方は、こちらに全体の流れを書いています👇

- 再検査が必要な社員にどう伝えればいいか迷っている総務担当の方
- 再検査に行ってくれない社員がいて困っている方
- 再検査の費用や受診した時間の扱いを決めたい方
- 健康経営に取り組んでいて受診のすすめ方を知りたい方
健康診断の再検査は会社の義務?
健康診断の再検査や精密検査について、会社が社員に受診を強制する義務はありません。
厚生労働省の健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針(労働安全衛生法に基づいて、健康診断のあとに会社がとる対応をまとめたもの)では、再検査や精密検査は病気の診断を確かめるためのもので、一律に会社に義務づけられているものではないとされています。
そのうえで同じ指針では、会社は再検査が必要な社員に受診をすすめ、結果を出してもらうよう働きかけることが適当とされています。
つまり「強制はできないけれど、受診をすすめるのは会社の役目」というのが、総務としての立ち位置です。
受診をすすめる
再検査や精密検査が必要な社員に、受診をすすめます。
結果を出してもらうよう働きかける
再検査の結果を、意見を聞く医師などに出してもらうよう働きかけます。
受診を強制することまではできない
最後に受診するかどうかは、本人が決めることになります。
義務じゃないなら、案内を配るだけでいいのかな…。
強制はできなくても、受診をすすめるのは会社の役目なので、私は案内を配るだけで終わらせず、病院から言われた人には口頭でも伝えています。
補足|労災保険の二次健康診断
なお、ここでいう再検査は、一般の健康診断のあとの再検査や精密検査のことです。
ただ、血圧・血中脂質・血糖・腹囲(またはBMI)の4項目すべてに異常があった人は、労災保険の二次健康診断を無料で受けられます。
対象かどうかは定期健康診断の結果で分かるので、総務でも気づくことができます。
大阪労働局の案内によると、本人が請求書を書いて会社が証明し、健診結果の写しを付けて、二次健診ができる病院から申し込む流れです。
請求は定期健康診断を受けた日から3か月以内なので、対象の人には早めに「無料で受けられますよ」と伝えると、受診のきっかけになります。
健康診断の再検査が必要な社員への知らせ方
再検査が必要な社員には、まず健診結果と一緒に紙のお知らせで伝えています。
私の会社では、健診をした病院が結果の封筒に再検査のお知らせを入れてくれるので、それをそのまま本人に渡しています。
結果を渡す日の朝礼などでは、「再検査のお知らせが入っている人は、なるべく受診をお願いします。受診したら連絡をお願いします」と全体にも伝えています。
さらに、病院の担当の方から「この人はできれば行ってほしい」と言われた社員には、私から口頭でも伝えています。
紙だけだと封筒を開けずにしまってしまう人もいるので、特に気になる人には口頭でひと言添えるようにしています。
すぐに受診が必要そうな結果の人がいるときは、総務だけで判断せず、産業医や健診をした病院に相談するようにしましょう。
健康診断の再検査に行かない社員への声かけ
再検査に行かない社員は、正直なところ私の会社にもいます。
個人の体のことなので、総務からはあまり強く言えません。
そこで、責めたり急かしたりせず、「病院から連絡があったので伝えています」という形で声をかけています。
声をかけるときは、ほかの社員がいる場所を避けると、本人も聞きやすいと思います。
私が実際に使っている言い方をもとに、そのまま使える文例をまとめました。
①朝礼などで全体に伝えるとき
「再検査のお知らせが入っている人は、なるべく受診をお願いします。受診したら連絡をお願いします。」
②口頭で伝えるとき
「健診の病院から、できれば再検査に行ってほしいって連絡があったので、結果の封筒の中にお知らせが入っているので必ず見てください。」
③紙やメールで案内するとき
「健康診断の結果に、再検査のご案内が同封されています。お手数ですが、案内の内容をご確認のうえ、受診をご検討ください。分からないことがあれば総務までご相談ください。」
④しばらくたってもう一度伝えるとき
「先日お伝えした再検査のご案内について、ご確認いただけましたか?ご都合のよい日に受診をご検討いただければと思います。」
②は、健診をした病院から実際に「受診してほしい」と連絡があった人に使っている言い方です。
病院からの連絡がない人には、「健康診断の結果に、再検査のご案内が入っています。封筒をご確認ください。」のように伝えるのがおすすめです。
協会けんぽに加入している会社なら、支部が用意している受診のすすめ用のリーフレットも使えます。
たとえば大阪支部では、健診結果を活用した受診勧奨についてのページで、従業員に渡せる受診勧奨のリーフレットをダウンロードできます。
ほかの支部にも同じような資料がある場合があるので、加入している支部のページを確認してみてください。
病院から実際に連絡があったときは「病院から連絡があったので」と伝えると、総務が個人的に体のことを詮索しているようには聞こえにくいので、強く言えない人にもおすすめです。
健康診断の再検査に行かない理由をさりげなく聞く
再検査に行かない社員には、行かない理由をさりげなく聞いてみるのもおすすめです。
理由を聞いてみると、会社で解決できる課題が見つかることがあるからです。
聞くときは、責めるような言い方にならないように、ちょっとした会話のついでに聞くくらいがちょうどいいと思います。
- 「再検査、なかなか行きにくいですか?」
- 「忙しくて、行く時間が取れない感じですか?」
- 「何か行きにくい理由があれば、会社でできることがあるかもしれないので、気軽に教えてくださいね。」
体のことなので、答えたくなさそうなときは無理に聞かないようにしましょう。
たとえば、次のような理由なら、会社で手を打てることがあります。
| 行かない理由の例 | 会社でできること |
|---|---|
| 仕事が忙しくて行く時間がない | 勤務時間内に行けるようにする、上司と日程を調整する |
| 費用が気になる | 会社や互助会の補助が使えるなら、あわせて伝える |
| どこの病院に行けばいいか分からない | 健診をした病院や近くの医療機関を案内する |
| お知らせをよく見ていない | 封筒の中のお知らせを一緒に確認する |
ちなみに、聞いた理由は総務人事の目標設定にも使えます。
「勤務時間内に再検査を受けられるルールを作る」「再検査の費用の補助を検討する」のように、実際の困りごとから目標を立てると、上司にも説明しやすくなります。
総務の目標の書き方は、こちらの例文も参考にしてみてください。

健康診断の再検査の費用は会社が払う?
健康診断そのものの費用は、法律で会社に実施が義務づけられているので、会社が負担するものです。
一方で、再検査や精密検査の費用を誰が払うかは、法律では決まっていません。
会社と社員で決めることになっていますが、大阪労働局の資料(32ページ)では、健康診断と同じ項目をもう一度測る再検査なら会社が負担するのが望ましく、精密検査の費用は健康診断の範囲外と考えられる、と説明されています。
私の会社では、今のところ再検査の費用を会社では出していません。
ただ、互助会のカフェテリア制度を使えば、領収書を出すことで上限の金額まで補助を受けられます。
会社として健康経営優良法人の認定を受けていることもあり、再検査の費用を会社で負担することも今後検討しています。
費用が自分持ちだと、なかなか行ってもらえないですよね…。
費用の補助がある会社なら、声かけのときに「補助が使えますよ」と一緒に伝えると、行くきっかけになりやすいと思います。
健康診断の再検査に行く時間は勤務扱いにする?
再検査に行く時間を勤務扱いにするかどうかも、法律では決まっていません。
厚生労働省の労働基準FAQでは、一般の健康診断を受ける時間の賃金は会社と社員で話し合って決めるもので、会社が払うのが望ましいとされています。
再検査に行く時間についての決まりもないので、一般の健康診断と同じように、会社と社員で話し合って決めておくのがおすすめです。
私の会社では、再検査に行く時間の扱いは、まだはっきり決めていません。
「仕事を休んでまで行けない」という人もいるので、費用とあわせて決めておくと、声をかけやすくなると思います。
健康診断の再検査の結果の確認はこれから整えたい
私の会社では、朝礼で「受診したら連絡をお願いします」と伝えていますが、受診したかどうかや結果を記録する仕組みは、これから整えたいと思っているところです。
育休復帰したらさっそく取り掛かる予定です♪
厚生労働省の指針でも、結果を出してもらうよう働きかけることが適当とされています。
いきなり結果を出してもらうのが難しければ、まずは「再検査に行ったかどうか」だけを確認するところから始めるのが現実的だと思います。
再検査の結果は健康の情報なので、出してもらうときは扱い方にも気をつけたいところです。
①使う目的を本人に伝える
「仕事の負担を調整するため」など、何のために使うかを先に伝える
②見る人を限る
結果を見るのは、総務の担当者や産業医など決まった人だけにする
③産業医に渡す範囲を決めておく
どこまでの内容を産業医に伝えるかを、あらかじめ決めておく
④本人の同意なく広めない
詳しい診断の内容を、上司やほかの社員に勝手に伝えない
結果の扱いに迷ったときは、産業医に相談できると安心です。
ちなみに、産業医を見直したときのことは、こちらにまとめています👇

健康診断の再検査の受診をすすめるときのよくある質問
Q. 健康診断の再検査に行かない社員に強く言ってもいいですか?
再検査を受けるかどうかは本人が決めることなので、強く命令するのではなく、すすめる形で声をかけるのがおすすめです。
一度で行ってもらえなくても、時間をおいてもう一度声をかけるくらいがちょうどいいと思います。
Q. 健康診断の再検査の結果を会社に出してもらってもいいですか?
厚生労働省の指針では、再検査の結果を出してもらうよう働きかけることが適当とされています。
ただ、健康の情報は個人情報なので、何のために使うのかを本人に伝えて、見る人を限っておくと安心です。
気をつけることは、「再検査の結果を出してもらうときに気をつけること」にまとめています。
Q. 健康経営優良法人の認定と関係ありますか?
健康経営優良法人の認定要件には、評価項目の一つとして「受診勧奨の取り組み」があります。
この項目だけで認定されるわけではありませんが、再検査をすすめる取り組みは、この項目にあてはまる可能性があります。
実際に健康経営に取り組んでいる会社では、次のような再検査のすすめ方をしています。
①受診したかどうかを聞いてからすすめる
要精密検査や治療が必要な人を把握し、本人に受診の状況を聞き取ったうえで受診をすすめています(自動車販売・従業員30名)。
②産業医から説明してもらう
再検査の対象者に産業医から説明と早めの受診の声かけをしてもらい、受診のための有給休暇の取得も調整しています(介護事業・141名)。
③治療費の一部を補助する
二次検査の対象になった社員に、治療費の一部を会社が補助しています(食品製造業・227名)。
④受診報告書を出してもらう
産業医の指導で二次検査をすすめ、受診報告書の提出を決まりにしています(専門・技術サービス業・222名)。
いずれも協会けんぽ長崎支部の取り組み事例集(2023年3月)で紹介されている会社の例です。
いきなり全部は難しくても、①の「受診したかどうかを聞く」だけなら、すぐに始めやすいと思います。
詳しい要件は年度ごとに変わるので、最新の内容は経済産業省の健康経営優良法人認定制度で確認してください。
健康診断の再検査は強く言わずに何度か声をかけよう
健康診断の再検査は会社が強制できるものではありませんが、受診をすすめることは会社の役目です。
①紙のお知らせを確実に渡す
健診結果の封筒にお知らせが入っていることを伝えます。
②気になる人には口頭でひと言
「病院から連絡があったので」と、ほかの人がいない場所で伝えます。
③時間をおいてもう一度
責めずに「行ける日が決まったら教えてください」と声をかけます。
④費用と時間の扱いを決めておく
補助や勤務扱いがあると、行くきっかけになりやすくなります。
強く言えなくても、何度か声をかけ続けることが、社員の健康を守ることにつながると思います。
総務ひとりで抱え込まず、できるところから少しずつ始めてみてください。
声かけの例や表はそのまま使えるので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
ストレスチェックなど、健康診断以外の健康管理のことはこちらにまとめています👇


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